インタビュー タイの新潮流
WiSE編集部 RyDEEN Co., Ltd.
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2017.11.01

「日本の頂点から、“世界のスーパードライ”へ」

Asahi Breweries, Ltd. Bangkok Representative Office
山口 陽平

《プロフィール》
やまぐち ようへい

■1977年生まれ。福岡県出身。2000年アサヒビール株式会社入社〜現在に至る
■座右の銘:克己邁進
■愛読書:小説 上杉鷹山
■尊敬する人物:両親
■よく見るまたは、活用しているウェブサイト:日本経済新聞、バンコクポスト
■休日の過ごし方:家族団欒、スポーツ

 


 

事業概要をお聞かせください
タイでは、LEO、SINGHAを看板ブランドとする「ブンロード」グループと2002年からパートナーシップを組み、製造・販売委託契約を締結してビジネスを展開しています。弊社は駐在事務所として、提携パートナーへの製造・販売の監督・サポートを主な業務としています。また、インド、ネパール、ミャンマー、フィリピンの周辺4カ国のビール事業も担っています。

国外で展開するにあたって大切にしていることは?
パートナー選びです。最適なパートナーとは、お互いがWIN-WINの関係を維持、そして成長できること。パートナー側にアサヒビールの理念や思い、スーパードライの目指すところを理解してもらえるか、我々が各国の現場に足を運び、現状を正しく把握しているか。そして、現地の方々の意見を尊重しながら、それぞれの国にフィットするやり方を実践することが重要ですね。

タイ赴任当時は?
私は12年5月からタイに駐在していますが、当時は進出から10年位経った時。ビジネスの土台は構築できていましたが、全体的に短期的な売上目標が優先され、プッシュ型の販売促進に重きを置いたセリング思考が強い印象を持ちました。中長期的な視点に立った戦略構築と、お客様から継続的に買ってもらえる仕組みを作りたいと思いました。

具体的には何に着目したのですか?
お客様の満足を追求するという経営理念に立ち返って、品質管理とブランディング活動を最優先に注意を払っていきました。12年から動き出し、15年位からですね。ブランド評価の高まりと製品のフレッシュローテーションが進み、都市部での売上が飛躍的に向上したのは。それ以降、販売量は2桁成長が続いていますが、仮に、ビール市場全体も2桁成長していれば、競合に勝っているとは言えません。常に意識しているのは、“マーケットシェア”です。今年上半期のビール市場は前年比で4%ほど縮小していますが、当社は変わらず2桁成長で伸びています。そういった意味では、手応えも感じつつあります。

我慢の年もあったのですね
意識改革の途中だった13~14年辺りは我慢の年でした。現地パートナーや代理店、スタッフに納得してもらうには予想以上に苦労しました。

東南アジアでは、ビールの売上を稼ぐ=大衆店という構図があり、特に地方では大瓶が良く売れる大衆店で売上を稼ぐ傾向にあります。

そこに注力すれば売上は増えますが、ブランディングという観点からは、マイナス効果を及ぼし、プレミアムイメージが欠如してしまいます。そこは我々のターゲットではない。思い切って離れようと。

プレミアムブランドの売り方を守る
売上はもちろん大事なポイントですが、やはり、ぶれてはいけないのが“高品質×プレミアム”という立ち位置です。海外でプレミアムブランドとして注力していく中で、短期的な市場拡大を求めるのは当社の戦略ではありません。そこを理解してもらえなければ、持続的な成長に繋がらず、パートナーとWIN-WINの関係を維持できません。タイのブンロード社とは、エコノミーの「LEO」、スタンダードの「SINGHA」、プレミアムの「スーパードライ」という商品ポートフォリオを形成し、相互補完が成り立つ良い関係だと思います。

今後の展望は?
昨年、当社は世界でも有名なプレミアムビールであるイタリアの「Peroni」とオランダの「Grolsch」、チェコの「Pilsner Urquell」を買収しました。来年を目途に、日本国内でこれら3ブランドの販売を開始しますが、東南アジアでの展開も考えています。「スーパードライ」をはじめ、有力なグローバルブランドを軸として成長するプレミアムビールメーカーとして、独自のポジショニングを確立していきたいと思います。

所属するソフトボールチーム「ウォーリアーズ」が日本人会主催の大会で優勝。「スポーツ後のビールは格別です!」
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取材・文 山形 美郷


 

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