世界基準のタイコーヒー

屋台で売っている甘いだけの味はもう古い!?
急激な進歩を遂げるタイのコーヒー事情

タイ商務省の発表によると、2015年のコーヒー豆の需要は計8万トンで、前年度と比較すると6・66%増えたという。北部チェンマイ県では、コーヒー市場の拡大は特に顕著で、5年前と比べて成長率は100%。現在、約1000店のコーヒーショップが林立し、その売上は年10億バーツに上る。かつて、タイのコーヒーと言えば、屋台で売っている砂糖たっぷりイメージが強かった。だが、昨今はスターバックスに代表されるシアトル系コーヒーチェーンの進出に続き、サードウェーブも到来。スタイリッシュな外観だけでなく、豆にも焙煎方法にもこだわるコーヒー店を当たり前のように見かけるようになった。コーヒー1杯の価格は100バーツ前後が一般的。タイの物価から考えれば、決して安いとは言えないが、連日盛況の人気店も多く存在する。こういったサードウェーブのカフェを支えているのが、香り高く、風味豊かで、高級豆の一つともいわれるタイ産アラビカ種のコーヒー豆だ。1988年、「ゴールデン・トライアングル」(タイ、ラオス、ビルマの国境が接した三角地帯)と呼ばれる山岳地域で、貧困のために麻薬の栽培に頼らざるを得なかった人たちを救済しようと始まった、王室による「ドイトゥン開発プロジェクト」。これにより、北部はタイにおけるアラビカ種の一大産地となった。以降、タイではコーヒー豆の栽培が年々盛んとなり、良質な豆も多く生産されるようになった。今では、前述した「ドイトゥン・コーヒー」だけでなく、2009年にカナダで開催された世界コーヒー大会で優勝するなど、タイが誇るブランドの一つ、「ドイチャン・コーヒー」や、1000ライの耕地で栽培するコーヒー豆の70%が海外へ輸出されている「ベーチェー・コーヒー」など、世界に通用するコーヒー豆も次々に誕生している。また、チェンマイのアカ族が手がける「アカアマ・コーヒー」のような、規模こそ小さいながら、上質なコーヒーを提供する店も増えるなど、カフェ自体のレベルも上がっている。今後、欧米に負けないカフェ文化が、タイで花開く日が来るのも、そう遠い未来ではないだろう。

 

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