人形への過剰なサービス

再ブレイクを果たし異様な盛り上がりみせる「ルーク・テープ」
ある問い合わせから生まれた航空会社の話題のサービスとは

 

幸運を呼ぶとして話題の赤ちゃん型人形「ルーク・テープ」。このルーク・テープへのサービス合戦が過熱している。「なぜ人形に?」と思う人も多いだろう。この人形は本物の赤ちゃんそっくりに作られているだけでなく、僧侶による祈祷が行われたうえで引き渡されている。いわば、お守りのようなもの。そのため信心を集め、異様な盛り上がりをみせている。まずベビーシッターサービスがインターネット上で話題に。食事を与えるだけでなく、勉強も教えてあげるという、まるで本物の子どもへのようなサービスを行うものまで現れた。
さらにあるタイの航空会社が、ルーク・テープ向けのチケット予約サービスを開始したことで話題となっている。航空会社によると「ルーク・テープを連れて行ったら、乗客として席に座らせることができるか?」という問い合わせがあったという。原則論としては、大型荷物は席に置くことが許されず、手荷物の棚、もしくは座席の下に入れないといけない。しかし、ルーク・テープを荷物同様に扱えば、持ち主は不快だろう。このため、ルーク・テープ向けの座席を提供するオプションサービスを開始。「今まで、ルーク・テープを連れて席に座らせた乗客は20人。もちろん人形でなくて、乗客としてちゃんとサービスを提供している」と、航空会社の社長は話した。
ほかにも、さまざまな企業がプロモーション合戦を繰り広げている。例えばタイにある火鍋食べ放題レストランでは、全長110㎝以下のルーク・テープならば無料だとしている(もちろん人形は料理を食べられない。ただ、持ち主は料理を人形への捧げ物とする)。美容整形クリニックではルーク・テープ同伴で、持ち主の鼻整形コース通常2万5000バーツを1万5000バーツに割引。人形にも顔トリートメントコースを無料で提供する。
特定の信仰に対する配慮はとてもデリケートな問題。ただ、持ち主の気持ちに少しでも寄り添う姿勢は、実はあらゆる宗教への配慮にもつながっていくのではないだろうか。ルーク・テープには、価値観の多様性に対する企業姿勢が問われているのかもしれない。

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