北陸銀行

「縁あるタイで、日本企業にさらに貢献してもらいたい」

《プロフィール》
バンコク駐在員事務所長 岩本 潤一
いわもと じゅんいち
■1962年生まれ。北海道札幌市出身。1986年大学卒業後、北陸銀
■愛読書:「君はどう生きるか」 吉野源一郎、「論語に学ぶ」 安岡正篤、ドラッカー全般
■尊敬する人物:新人時代、自分を3カ月間の英語研修に推薦してくれた当時の支店長
■趣味:旅行、スキー、読書
■バンコクの行きつけの店:106ヘアスタジオ BASE店(Sukhumvit Soi 39)行入行。札幌、金沢、富山、東京、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールなど13回の異動を経験後、2015年7月から現職。
■座右の銘:人間万事塞翁が馬


 

タイに縁があると聞きました
 駐在員事務所は2012年に開設したのですが、05年にカシコン銀行と提携したので、当行とタイの繋がりは、その頃からです。当時、私はシンガポール駐在でしたが、すでに多くの顧客がタイ進出を果たしながらも、資金調達や金融サービス面で困っていました。タイへ出張する度にそうした相談を受けながら「タイの銀行と提携する必要がある」と、いくつかのタイの銀行へ提携の相談に回っていました。ところが、最初は多くの地元銀行は「前例が少ない」と門前払い。しかも日本の地方銀行ということで、興味も抱いてくれませんでした。シンガポールでさえ、邦銀の事務所は5行程度の時代です。それでも「日本の地方に類まれな技術を保有した企業があり、必ずタイに恩恵をもたらす」と説得して回っていましたね。そんな中、カシコン銀行がジャパンデスクを設置すると聞き、すぐに伺い理解を示してくれたのが始まりです。
当時は、カシコン銀行創業者の孫にあたるバントゥーン・ラムサム氏(現 会長兼最高経営責任者)にも会う機会が多くありました。一族の方に日本亭で会い、雪まつりの話をしたこともあります。今では雲の上の人で、なかなかお会いすることは難しいですが。
同時期に82銀行やいくつかの地方銀行とも提携してきました。今でこそ、約30の銀行と団体に増えましたが、そうした意味ではパイオニアの一角と言えるかもしれません。

タイ赴任は、2015年と聞きました
 15年7月からタイ駐在となりました。御存知の通り、11〜14年頃は、洪水の復興特需やファーストカー減税など製造業への追い風が続き、日系企業の進出も増えました。この期間、日本国内の顧客のうち、年間10〜15社が進出していましたよ。
ところが、赴任した直後からタイの経済成長の鈍化もあり、進出は落ち着きました。ただ、経済成長を遂げたタイの消費市場価値が高まったことで、非製造業については継続的に増えている感じですね。一方で、一巡した製造業においても、自動車のモデルチェンジ、機種や製品の高度化に伴う設備拡張、メーカーから求められる高い技術を持った日系企業の進出は続いています。
さらに、昨今の景気回復に伴い、新たな業種の進出も増えています。北陸の企業は、品質を落とさず大量生産できるような技術を保有する製造業者が多く、電気自動車や次世代の技術を求めるタイに貢献できる、ポテンシャルの高い企業ばかりです。ウッタマ工業大臣も来県するなど、タイ政府からも注目されるほどです。

海外赴任は4回目と伺いました
 新人の頃に、米国で研修し、英国・ロンドン、前述のシンガポール、そしてタイ赴任となりました。どこも忘れられない場所です。ニューヨークでは、93年にあった世界貿易センター爆破事件に遭遇しました。当時、事務所のあった84階から2時間かけて、真っ黒な煙の中を逃げたんです。ロンドン時代は、アジア通貨危機に端を発した金融危機により、支店閉鎖にあたり、シンガポールでは、休暇中に家族で訪れたタイ・プーケットで大津波(2004年)に遭遇し、タッチの差で飛行機に乗って帰るという経験をしました。朝、現地で震度3ほどの地震を感じた際に「地震のない国で感じるということは津波がくるかも」と思い、家族に朝食をとらせず、すぐに飛行機に乗ったんです。その後、1時間後には空港まで水が押し寄せ閉鎖しましたから、本当に間一髪でした。

激動の海外赴任ですね
 振り返れば、そうですね。ただ、タイでは何も起こっていませんよ。休日は趣味の街歩きを楽しんでいます。日本時代から赴任先の歴史や文化を学ぶのが好きで、それが興じてボランティアガイドをやっていました。タイではそこまではできませんが、街歩きの会に所属しながら、その地域の歴史と文化を学ばせて頂いています。意外とビジネスに役立つような、企業の生い立ちや経営者の“人となり”などの知識も得られるんですよ。

グループ力を高めるため、北海道銀行からの出向者も合流し、盤石の体制を整える


 

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