事実は闇の中へ

 

業務放棄? 権力行使?
警察の“真の在り方”とは

 

7月23日、バンコク都内の刑事裁判所で、1人の男性が8階から飛び降り自殺を図った。死亡したのはスチャイ氏(52)。同氏は当日、2016年4月に息子タニット氏が刺殺された事件の判決公判を傍聴しに来ていたという。しかし、被告人に証拠不十分で無罪の判決が降りるとその場で泣き崩れ、その後自殺を図ったとみられている。
なぜ、同氏は自殺に至ったのか。2年前に起きたタニット氏殺害事件直後から、同氏は極度の心労を抱えていたという。自殺したスチャイ氏の義妹パトゥムマー氏によると、死亡時に着用していた衣服や犯行現場の監視カメラの録画が全て消失。警察に問い詰めても「証拠を持って来い」の一言。挙句の果てに「前世にタニット氏が殺人を犯したため、現世でそのカルマを背負ったのだろう」と警察に暴言を吐き捨てられたという。自殺したスチャイ氏は殺された息子のかたきを討つために退職し、証拠をかき集めて今回の判決公判に挑んだと、パトゥムマー氏は涙ながらに語った。
監察官の元副司令官のウィルット大佐は「担当警察が誠実に証拠を収集したかどうか、改めて詳しく調査をする必要がある。現場の監視カメラが複数同時に壊れたという報告は信じ難い」とコメント。また、証拠を被害者側に促したことについても、警察として不規律だと話している。
事件発生の度に、警察の対応含め司法プロセスに問題があると囁かれるタイ。事実解明はもちろん、被害者親族の心のケアまで尽力してほしい。

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