ピピ島に赤信号

 

無期限立ち入り禁止を決定
大切なのは「目先の収入よりも永続性」

 

「持続可能な観光収入」か「目先の観光収入」か―。
タイの有名観光地「ピピ諸島」を管理するタイ国立公園局はこのほど、環境保護と生態系回復を目的に今年6月から実施している全面立ち入り禁止措置を、「生態系回復が間に合わない」とし、当初4カ月間だった閉鎖期間の“無期限延長”を決めた。

諸島内のピピ島は2000年に公開された映画「ザ・ビーチ」(主演レオナルド・ディカプリオ)で一躍有名となり、世界中の観光客が押し寄せ、同島を訪れる観光客は1日約4000人を超えていた。同局によると「近年は中国人観光客が増え、ゴミのポイ捨てやトイレマナーの悪さで環境が悪化。影響は海底の生態系にも及び、珊瑚が死滅する事態に陥っていた」と指摘する。

一方で、閉鎖によって困る人たちもいる。有名観光地だけに、これまで地元住民を含めた多くの観光業者が、生活基盤のほとんどを観光収入に頼ってきた。そのため、閉鎖による収入減は確実で、観光業者らは「4カ月間は仕方がないと思っていたが、無期限では生活していけない」や「すでに、閉鎖期間終了後の予約も入っていた」と窮状を訴える。これに対して、同局のウォーラポット氏は「観光収入の減少はわかるが、自然が回復されなければ、元も子もない」と理解を求める。生活の糧だった人たちの気持ちもわかるが、それも美しいピピ島があってこそ。早期回復を祈るばかりだ。

一方、島では外国人から入島料1名200Bを徴収しているが、ずさんな管理から用途の不透明さが指摘されてきた。今回の改善計画が実を結び、環境保全と地域発展の両体制が整うことを期待したい。

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