亡き父親の仇

 

息子には警察官になってほしい――。
被害者の息子、事件から20年後に悲願の逮捕

 

20年前の1998年12月。タイ南部のスラートターニー県で、男性2人が何者かに刺され、命を落とした事件が発生。内、1人の男性には、妻とわずか1歳の幼い男の子がいた。

事件当時、地元の政治家とタイ警察上層部との関係が噂されていたため犯人は見つからず、逮捕状が出されたのは事件発生から10年後の2008年。その後は未解決事件として忘れ去られていた。しかし、公訴時効である今年12月が間近に迫った今月5日、ようやく犯人は逮捕された。

地元紙によると、犯人を捕まえたのは、事件当時1歳であった被害者の息子アーム警察官。生前、父親が母親に語っていたという「息子には警察官になってほしい」との想いを叶え、今年2月から、未解決事件捜査班の一員として勤務していた。

最近になって、母親と住む自宅近くに犯人が越して来たという噂を聞きつけた同氏は、母親の命の危険を感じて調査を開始。同僚警官の協力のもと、犯人逮捕に至った。「犯人を逮捕することができて本当に嬉しい。しかし、犯人は父親を殺した動機を語らないので、引き続き追求する」と同氏。また、母親は「安堵しています」とコメントした。

ネット上には「ドラマみたいな逮捕劇だ」といったコメントが殺到した一方、「アーム氏自身が調査をしなかったら事件は時効を迎えていただろう。タイの警察は本当に頼りにならない」など、警察への批判コメントも相次いだ。亡き父親も、天国で息子を誇りに思っていることだろう。

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