インラック前首相に巨額賠償

暫定首相がコメ買取制度の審議に44条発令。狙いは早期資産没収か!?

 

またしても、プラユット暫定首相の剛腕ぶりが発揮された。
同暫定首相が国の最高意思決定機関でもある国家平和秩序維持評議会(NCPO)のトップを兼務していることは周知の通り。そのトップが持つ“伝家の宝刀”と言われる暫定憲法44条がまたもや抜かれたのだ。
暫定首相の勅令は、14日付けの官報サイトに掲載。内容は、インラック前首相が断行した実質的なコメ買取制度(コメ担保融資制度)による国家への損失に対する巨額賠償金の支払い請求権限を法務省民事執行局へ与えるというもの。
これまでインラック前首相は、前述の理由から国家汚職追放委員会(NACC)に訴追され、司法の場による罪が問われると同時に民事では賠償金請求を求められてきたが、遅々として進まず、国民の間ではすっかり忘れさられていた感さえある。
なぜ、強権発動に踏み切ったのか? 同問題は水面下では、すでに前首相政権下で関わったとされるブンソン元商務相ら数人に対しても、賠償金の支払いが命じられ、現政権のアピラディ商務相がプラユット暫定首相の命を受け、請求手続きを取っていた。ところが、指示が出された今年7月から2ヵ月が経過しても一向に進まぬことにしびれを切らした暫定首相が、ついに宝刀を抜いたというわけだ。ウィサヌ副首相によれば「商務省はこうした巨額賠償案件に携わったことがなく、専門である民事執行局に委ねた」と説明する。またある専門家は「賠償金については、行政裁判所に控訴することができ、裁判が長引くこと(民事案件=賠償金)や、来年2月で時効を向かえることから、専門集団に権限を与えることで賠償金の支払いを急がせ、インラック前首相の資産没収が狙いではないか」と話す。
44条の発令で、再燃したコメ買取問題。早速、財務省が国家に与えた損失=賠償金の再算出を開始。10月中にも発表するというが、その額は数百億〜数千億バーツとも言われる。ただ、暫定首相は過去に政府放送で、「コメ買取問題に44条は使用しない、裁判所の決定に委ねる」と発言していたことから、約束を反故にしたことへの反発は否めない。

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