ネットの規制を強化

曖昧な解釈、えん罪の可能性……線引きが難しい新法案に非難の声

 

16日、賛否両論を巻き起こしていた「コンピューターに関する犯罪法案」に新たな条項が盛り込まれることが決定し、2017年4月から実施される予定だという。一方、同法案実施に反対する署名サイト「change.org」では、16日時点で36万人以上が登録し、今もその数は伸びている。
15年のタイ国立電子コンピューター技術研究センターの発表によれば、タイのネット利用者は約3800万人。同法案により、国民の半数以上がいわば“監視対象”になることを意味する。これまでの争点となっているポイントは以下。
①解釈が曖昧という点。元々、同法案はネット上での詐欺行為を取り締まる目的でもあったが、他者を揶揄する“侮辱”行為が処罰対象に含まれるかが明確になっていない。人権擁護派は「詐欺と侮辱では、意味がそもそも違う」と不透明な原文を批判。侮辱が処罰対象であれば、本来の目的とは変わってしまい、範囲拡大に対する危うさを懸念している。
②サイトの管理者が違法なコメントを投稿しなくても、誰かがその旨を書き込めば、管理者も処罰対象になるという点。処罰が適用されるコメントが自身のSNSに投稿された場合、3日以内に削除しなければならない。悪意を持ったコメントによる“えん罪”といったケースが出てくる可能性も否定できない。
③名誉毀損の問題。ネットで批判された当人が「事実と違う」と裁判所に訴えた場合、真偽をちゃんと確かめずに削除しなければならないという。人権擁護派は「その情報が事実誤認だと、なぜわかるのだろうか? 裁判所の判決もその都度変わってしまうだろう」と警鐘を鳴らしている。
④有害指定されたサイトを閉鎖する際、これまでは裁判所の許可が必要だったが、今後は即閉鎖。また法に抵触していなくとも“タイのモラル”に反すると判断されても処罰対象。これも明確な規定がないが、そのジャッジを下すのは9人の委員会とのこと。
今やSNS大国に成長したタイ。急激なネット利用者の拡大とともに、法律が変化していくことも自然なことであり、一方でその線引きが難しいことも事実だろう。処罰の適用範囲が明確になるには、もうしばらく時間がかかりそうだ。

 

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