国民に愛されたタイの慈父

10月13日午後、プミポン国王の崩御が発表された
国民から絶大な支持を受けていた国王の功績

 

「タイの父」と呼ばれ、全国民から愛されたプミポン・アドゥンヤデート国王が、13日15時52分、都内シリラート病院で崩御された。今回は、タイを近代国家へと導いた国王の功績を振り返る。
プミポン国王は1946年、兄のラマ8世の早逝により19歳で即位。在位70年は世界最長を数え、「足るを知る経済」理論の提唱者としても知られている。また、即位以来、国内各所の僻地を重点的に訪問。自ら市民の声を聞き、国が抱えるさまざまな問題を解決。農業を中心とした王室プロジェクトはこれまで4000以上が実施され、今も国民の生活を支えている。
そのうちの一つ、「人工降雨技術」は、55年に東北部を訪問された際、生活・農業用水の不足を知り、海外の人工降雨の研究結果を参考に発明。75年の完成以降、今に至るまで国民の生活に寄与している。89年に完成した「チャイパタナ水車」は運河や池の廃水を処理し、酸素を注入することで水質を改善するというもの。93年には特許を取得した。国王による特許取得は世界初で、その功績を讃え「発明者の日」(2月2日)が制定された。
また、かつて世界最大のアヘン生産地と言われたタイ北部の山岳地帯。国王が山民に自立した暮らしをと農作物を持ち込まれたことで、今ではオーガニック野菜やコーヒー、果物の産地へと生まれ変わり、「ドーイカム」というブランドで全国販売されている。
洪水問題にも高い関心を持たれ、北部から都内へ入る水を海に流す洪水対策プロジェクト「サルの頬」は有名。さらに、人材教育分野では、優秀な学生の海外留学をサポートする「アーナンタマヒドン奨学金」を設立された。
プミポン国王は、音楽の制作やサクソフォンの演奏、絵を描かれるなど多趣味としても知られた。また、ヨットやバドミントン、テニス、射撃など、スポーツ愛好家でもあり、特にヨットでは、67年の東南アジア競技大会では金メダルを獲得しているほど。
国民のために、休む間もなく70年間、精力的に公務をこなされてきたプミポン国王。「この国は最良な国ではないが、世界最高の王様がいる」と国民の誰もが胸を張るほどに愛された人柄の持ち主であられた。

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