生態系を脅かす外来種

約40年前、タイに輸入された米大陸原産の魚「プレコ」
強い生命力で繁殖し、タイの生態系にも影響を与えている

 

タイの生態系が危機にさらされている。
原因は、「プレコ」というナマズ目の川魚。中央アメリカと南アメリカの川が原産の外来種で、タイには40年ほど前に観賞用の魚として輸入された。
プレコは鎧のように硬くザラザラとしたウロコと吸盤状の口を持ち、体長は約50センチにまで成長する。雑食で、水槽の苔などのほか、空腹時にはほかの魚を食べてしまうこともあるという。大きくなったプレコは水槽内での飼育が難しく、河川に捨てる飼い主が続出。しかし、適応能力の高いプレコはその後も成長し、繁殖を続け、今ではその数が激増。2007年にはチョンブリー県バンラムン郡内のノーンヤイ運河で、数万匹のプレコが発見された。
水質が悪い環境でも生息が可能な上、タイの河川には外敵がいない。食用にもなるが見た目が悪いために人気がなく、例え釣り上げてもリリースする人がほとんど。一方、ほかの魚はプレコに卵を食べられてしまい、元々生息していた在来種の数は激減してしまった。
プレコによる生態系破壊問題について、漁業局は“プレコ撲滅キャンペーン”として「輸入の禁止」「川に捨てない」「飼育しない」「食用奨励」「発見したら殺処分する」など、この10年間施策を採ってきたが、解決には至っていない。
また、政府がこのようなキャンペーンを行っても、販売業者はプレコの名前を「悪運の魚」に変更。プレコを知らない人に対し、「悪運の魚を放流すれば、幸運が来る」と騙して、タンブン(徳を積む行為)用に販売する者が数多くいるという。
カセサート大学水産学部の副学部長であり、有名な生物海洋学者のトーン氏によると、プレコの販売や飼育を禁止する法律を作るのは難しく、「輸入の禁止措置を採ることはできるが、現在はタイ国内でプレコを繁殖できるため、撲滅することは難しいだろう」とのこと。解決に向けては、販売・飼育以前に漁業法の改正が必要であり、「即結果にはつながらないが、将来的には効果が現れるのではないか」と歯切れ悪くコメントしている。

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