選民意識が産んだ暴力事件

チェンマイ大学に程近い場所にある有名パブで起きた暴力事件
被害者が左目の視野の3割を欠損するという悲劇となった

 

先月25日夜、北部チェンマイ県チェンマイ大学そばにある有名パブ「マリン・スカイ」で、店のガードマンによる集団暴行事件が発生し、話題となった。
被害者のジェームズ氏(23)は事件当日、トイレに入ろうとしたところ、「俳優が使用中のため入室禁止」とガードマンが制止。仕方なく隣にあった女性用トイレで用を足した。その後、ジェームズ氏は俳優らが座るテーブルの前を通り、ガードマンに「俳優だからといって、店のトイレを独占するのは間違っている」と告げ、席に戻ったという。
席で母親と携帯電話で話していたジェームズ氏だったが、突如、ガードマン4人に囲まれ暴行を受ける。聞けば、俳優グループの中にいたボールという男性が、同氏を襲うように命令。この男性は「俺は(このグループにいた)女優と付き合っているし、ここのオーナーでもある。怖いものはない」とジェームズ氏を恫喝。一方的に危害を加えた。ジェームズ氏は外へ連れ出されそうになったところを、近くに座っていた男性グループに助けられた。
ムアンチェンマイ郡内地方警察チャンプアック署の発表によると、ジェームズ氏の友人が事件を届け出ようと警察署を訪れた際、彼らの動きを監視していたパブのガードマンから、「届け出を出せば、ジェームズだけでなく自分たちにも被害が及ぶぞ」と脅かされたという証言もあり、脅迫事件としても同時に捜査を続けている。
一連の流れに、傲慢なパブのオーナーが起こしたと思われたこの事件。しかし実は、命令を下したボール氏はパブのオーナーでも従業員でもなく、チェンマイにあるホテル「The Core」のマネージャーだったことが判明。事件後、同ホテル経営者のピーラヤーCEOは、この事件でホテルのイメージを著しく傷つけられたとして、彼を即刻解雇したと発表した。
ボール氏をはじめ、今回の暴力事件に関わった4人には、執行猶予付きの有罪判決が下された。現在は釈放され、警察の保護観察下にあるという。だが、被害者のジェームズ氏は鼻の骨と歯が折れ、左目の視野の3割を欠損し、いまだチェンマイ県ランナー病院に入院している。

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