医療現場への寄付を募る、約2000kmのチャリティマラソン。 スターが走る中、不動の政府に批判が集まっている
タイのロックシーンで絶大な人気を誇る「ボディスラム」のボーカル、トゥーン氏。2016年12月、10日間で400㎞を完走するチャリティマラソンを敢行し、8,500万バーツを集めた。
目的は医療機器・人材不足にあえぐ病院への寄付だったが、チャリティ終了後も同氏に援助を求める病院が相次いだため、再度マラソンを行うと発表。
今回はタイ最南のヤラー県から最北チェンライ県まで、2191㎞を55日間で走りきる。
目標額は7億バーツで、各地域11カ所の中央病院と、走行コースに点在する設備不足の学校に寄付する予定。
日程が発表されると、その過酷さに嘲笑や心配の声が多く寄せられたが、同氏は地方を支援できる喜びや、人々の思いやりの心に触れた経験を振り返り、改めて決意を固めたという。
さらに、走りながら運動(予防医療)の大切さを同時に訴え、人々の健康が、医師と看護師の負担を減らすことにもなると語った。
ロックシンガーの次なる挑戦に、世間は応援や感謝の声を上げているが、一方で政府に対し「医療機関の問題は保健省が解決すべき」「なぜ同氏が寄付金を集めなければならないのか。
税金はどこへ消えたのか」「政府は税の管理に完全に失敗している」との手厳しいコメントも。
ともあれ、人々の希望と大きな期待を背負って走る同氏に、心から声援を送りたい。