複雑に絡み合う電線を地中化

傾いた電柱に絡まり合い断線してぶら下がっている電線
配電線や通信線の整理整頓に首都電力公社が乗り出した

 

タイの街中を歩いていると、何十本もの電線がもつれ合って複雑に絡まり合い、時には断線して垂れ下がっている様子を誰しも見かけたことがあるはずだ。配電線の断線やショートによる停電は頻繁に発生し、感電による死亡事故も起きている。
首都電力公社(MEA)は6月29日、タイ国家放送・電話通信事業委員会(NBTC)とタイ電話公社(TOT)に加え、バンコク首都圏庁と国家警察の協力を得て、絡み合った配電線と通信線の地中化に関する了解覚書(MOU)を締結した。
MEAの総裁ソムチャーイ氏は、1987年から都内にある配電線と通信線の地中化を進めており、既に埋設したのはシーロム通り、パヤタイ通りなどの35㎞。現在工事中なのはスクンビット通り、ラマ3世通りなどの53・3㎞である。MOUの内容には、バンコク郊外のノンタブリー県と、カンチャナーピセーク通り〜アソーク通り、ラマ9世通り、ラチャダーピセーク通りの127・3㎞が含まれており、予算は487億1700万バーツ、2025年までの長期計画。
だが、6月24日、マイクロソフト社の元会長ビル・ゲイツ氏が自身のフェイスブック上に、複雑に絡まり合ったタイの通信線の画像とともに「配電線の不完全なインフラ構造が原因で、タイの都会や地方では停電がよく発生する」とのコメントを投稿。MEAは同氏の投稿に対しツイッターで、タイにおける電線の仕組みを説明した。一本の電柱には大きく分けて3種類の電線があり、一番高いところには高圧線、真ん中には低圧線、同氏が取り上げたような電線は通信線だという。そして、プラユット暫定首相は同氏の投稿を通じてタイの未整備ぶりが国際的に広がることを恐れ、10年以内としていた地中化計画を5年以内に終わらせるよう督促した。
地中化計画は配電線をMEAが、通信線をTOTが担う。TOTは 地中の配線トンネルを約30億バーツの予算で造って民間企業に貸す計画で、売り上げは一年に10億バーツとなる見込み。地中化が成功すれば停電が解消され、通行人に対する危険も減る。最終的には美しい街並みをつくるという目標を掲げ、各社が奮闘する。

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