警察子息の障害者リンチ殺人

世間に衝撃が走った、若者による障害者殺人事件
警察官の息子の卑劣な犯行に、遺族は大きく反発

 

前号のタイローカルニュースで伝えた「障害者リンチ殺人」。6人の若者が、左足に障害を持つ男性に集団で暴行し、死に至らしめた事件で、その非道さに社会は衝撃を受けた。
この事件で逮捕されたのは、モンマナッス容疑者(22)ら18歳〜22歳の男性6人。5月1日午前、被害者のソムギアットさん(36)のバイクを追い越した際、彼の障害を侮辱。同氏に謝罪を求められ、一旦は謝ったが納得がいかず、彼の職場であるパン屋に押しかけ、犯行に及んだ。現場にいた被害者の甥、メータッスさんによると、ソムギアットさんはパン用のナイフで身を守ろうとしたが、逆に複数箇所を刺されたうえ、レンガで殴打。容疑者らは「父親が警察官だから怖いものはない」と、周囲の制止を無視し、暴行を続けたという。
通報を受けて駆けつけた警官が上空に向かって威嚇射撃をし、容疑者らを拘束。ソムギアットさんは病院に搬送されたが、まもなく死亡した。
事件から5日後、容疑者の彼女と見られる女性が、SNS上にメッセージを投稿 。彼女は、「(容疑者である)彼氏は、あくまでも身を守るために攻撃しただけで、正当防衛だった。罪はない」と主張。そこには、被害者の弁護士に向けて、「これ以上関われば、報復も辞さない」と、脅しとも取れるコメントも載せられていた。この女性は当日現場にいて、容疑者らの暴行行為を煽っていたとも伝えられている。
被害者遺族の弁護士、アナンチャイさんは、威力業務妨害と虚偽告訴の罪で女性を告訴。「彼女の投稿によって、現場にいた人が証言を控えることもあり得る」とし、「殺人に対する罪の意識がない」と糾弾した。また同弁護士は、「物的証拠も揃っており、絶対に正義が勝つ」と話している。
現場の監視カメラには、駆けつけた警察官がケガをしたモンマナッス容疑者に対し、病院に行くよう促している様子も映っており、身内に甘い対応にも非難の声があがっている。
現在も、女性と6名の容疑者らの取り調べは継続中。ソムギアットさんの遺族は「この事件に公正な判決が下されない限り、彼の遺体を火葬しない」と発表している。

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