冷えと代謝

菅谷 卓広▶世界最先端の電気治療を筆頭に、整体や鍼、カイロプラクティックを融合した複合治療を行う「ペイン アウェイ クリニック」院長。身体のエキスパートとして、タイで12年の実績を誇る。

上野 圭司▶12年前に来タイ。2009年、マッサージ店「at ease」をオープンし、現在バンコクとハノイに4店舗を展開。最近、スコータイの自社農園で無農薬ハーブを栽培するプロジェクトを始動させた。


オフィスや商業施設など、毎日クーラーの効いた場所で長時間過ごす人も多いのではないだろうか。身体の冷えに関する悩みを耳にすることが増えたという、マッサージ店「at ease」の上野代表と菅谷院長に原因と対処法について伺った。

▶身体を冷やさないことは大事だと思うんですけど、タイにいると室内ではエアコンが過剰に効いている環境が多く、外出時すると暑さのため冷たいドリンクを頻繁に飲みがちですよね。そうした冷えが、婦人科系の不調や肩凝りにも繋がりますよね。

▶血流が悪くなるので、当然肩凝りの一因になります。特に冷えの悩みは、日本人女性に多いです。当クリニックの患者さんはさまざまな国の方がいますが、手足が冷たいのは圧倒的に日本人です。

▶体が冷えると、代謝が悪くなりますよね。最近、タイ人にも太りぎみの方が増えている気がします。特に下半身太りが多いようです。

▶確かに、昔に比べて肥満の方が増えましたね。食・運動習慣など、さまざまな要因が組み合わさっていると思いますが、暑い国の人って、本来はそんなに太らないはずですよ。寒い国の人の方が、体温を保つために脂肪がつきやすいですからね。

▶菅谷さんは、冷えや代謝で悩む患者さんにはどのような治療を行うんですか。

▶身体の中から改善する方法としては、当院には中医学やタイ伝統医学を専門とする医師がいますので、漢方やタイハーブを処方することができます。そういえば上野さん、スコータイの広大な農園でハーブ栽培を始められたとか。

▶そうなんです。昨年11月、レモングラスやこぶみかん、ターメリックなどの栽培を開始しました。収穫はまだこれからなのですが、肩を温める「ハーバルパッド」やマッサージに使う「ハーバルボール」を自社工場で作る際に使用する予定なんですよ。ハーブは口にする以外にも、血行の促進や冷え性の改善のため、身体の外から働きかけるのにも役立ちます。漢方だと、どんなものを処方して体質改善を促すのでしょうか。

▶中医学の専門医が患者さんの年齢や体質に合わせて処方するので、内容は人それぞれです。代表例としては、身体を温める効果がある朝鮮人参やショウガ、ナツメが挙げられます。ショウガは食事にも取り入れやすいので、活用すると良いでしょう。

▶身体の外からのアプローチはいかがですか。

▶当院では筋肉に電気的刺激を与える機器(EMS)を使用し、インナーマッスルを鍛えることで基礎代謝を上げることができます。また、血行を促進し、体温を上げる効果のあるカッピングを行うことも可能です。同じく中医学の鍼治療で、身体全体を整えるのも選択肢一つとしておすすめします。


カッピングは、血流を促進し、身体を温める効果がある。冷え性以外にも、腰痛や肩凝り、むくみの解消にも効果的


Website:https://www.painawayclinic.com/

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