外資誘致、本格始動

副首相を筆頭にタイ経済界の大物が訪日。
外資を求め、売り込み攻勢開始

いよいよタイの日本シフトが本格的になってきた。いまだ先の見えない不景気からの脱却を目指し、経済担当のソムキット副首相は、2度の景気刺激策を実施。低所得者と農家向けの無利子融資や公共事業など1360億バーツの予算を使い、次に中小企業向けに低金利融資と信用保証枠などで50億バーツを投入した。そして、11月に推し進めるのが、外国直接投資を狙った誘致活動。訪日が決まっているソムキット副首相は11月2日、和泉洋人首相補佐官と会談し、鉄道網の整備、TPPなどについて細かい協議を重ねた。同副首相は外資誘致についても言及し、「日本は医療に関するクラスター(産業集積)への投資に興味を持っており、今度の訪日では、工業省の代表と日本の医療関連企業の代表が交渉する」と好感触をアピールした。今回の訪日一行は、ソムキット副首相を筆頭に、タイ投資委員会(BOI)のヒランヤー長官や工業省、商務省、財務省、観光・スポーツ省などの代表、さらにはタイ工業連盟、タイ商工会議所といった民間機関の代表という大所帯。日程は11月25日〜28日。予定されている会議「ハイレベル・ジョイント・コンミッション」では、日本政府高官から大手民間企業の代表と面会。これほどの大人数での国際的な話し合いは、タイにとっては初だという。また、ヒランヤーBOI長官は、ビジネスマンを対象にセミナーを行い、免税などの優遇措置を通じた特定の産業を集積させる「クラスター経済特別区」をアピールするなど、あの手この手で外資誘致を求めてPR。また、今回の訪日では、タイ側はいくつかの民間企業と了解覚書(MOU)を交わす。工業省は、日本自動車研究所と人材開発や部品研究などにおいてMOUを締結。観光・スポーツ省は、互いのサポートを目的に日本旅行業協会(JATA)と、観光促進の情報やノウハウの共有のために日本貿易振興機構(JETRO)やテレビ朝日とそれぞれMOUを結ぶ。かつてこれほどまでにタイの経済人たちが一致団結し、外資獲得のために躍起になったことがあっただろうか。逆にいえば、それだけ必死の思いの表れともいえる。果たして日本はどう動くのか? 長期的な視点で見ていくことが大切となる。

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