干上がって出てきた問題

ソンクランの“水掛け”が1日短縮される。水不足だけではないタイの悩み

 

 干ばつの影響が、タイの根深い問題を浮き彫りにしている。過去最大規模とされる干ばつで、バンコク首都圏庁は4月13日〜15日の“水掛け祭り”ソンクランを通常の4日間(バンコクは12日開始)から3日間に減らし、さらに午後9時までという時間制限を設けると発表した。首都圏庁のアモーン副知事は「水を提供するエリアも減らし、多くの外国人が集まるカオサン通りも午後9時までにする」と話しているから、どうやら本気なのだろう。
3月に入り、あらゆるメディアで干ばつのニュースが取り上げられた。「今年は最悪な状況」「農業用は常に水不足状態」など深刻さを伝える見出しがにぎわせた。誰の目にも明らかな“水の無駄遣い”である水掛けが議論にならないわけがない。
発端はインターネットからだった。「バンコクは水不足にお構いなくソンクランをやるらしい」というスレッドが立つと、たちまち話題となり、スレッド主は「ピッサヌローク県のヨム川は干上がっている。ナコーンサワン県のチャオプラヤー川の水位も下がった。地方はバンコクの人間のために節水をしないといけないのか?」と浪費を強く批判した。高地の北部から首都圏に水が流れているのは事実であり、川上側にある“水がめ”が節水し、川下側がジャブジャブ使うのであれば、軋轢が生まれるのは当然だろう。
賛否両論も起きている。「タイはもはや農業国ではない。国の成長は観光業と工業のおかげ。場合によっては、農業も中止すべき」というコメントや、一方で「バンコクの人間だけが好き勝手に水を使用するなんてフェアではない」という意見もみられた。
ちなみにタイで使用される水の内訳では、50%以上が農業用とされ、いまだ一次産業の就業者数は全体の29・5%という事実も見逃すわけにはいかない。とはいえ、ソンクラン時期の経済効果は150億バーツとも言われており、中止できないのも事実。双方の意見に“正義”がある。
首都封鎖デモ時、バンコク都民の多くは民主党を支持し、地方の人間はタイ貢献党を応援した。何か問題が発生すれば、首都vs地方の構造が浮上してくるのは、何年経っても変わらない。

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