出張者完全ガイド
ヤンゴン編

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 タクシー運転手によると、空港から市内までは空いていれば25分、混んでいれば2時間。特に雨が降ると、ヤンゴンの道路は地獄と化すらしい。バンコクと違い、日本のような長雨も特徴。朝から晩まで傘をささなければならないことも多く、かつての宗主国イギリス・ロンドンの街並みが頭をよぎった。ちなみに渋滞については、バンコクよりもひどい印象。南部のダウンタウンに入ると、5分以上は平気で停まる経験もしたし、渋滞が原因で昨今の日系企業が中部〜北部に拠点を移しているというから、その深刻さは推して知るべし。

とはいえ、日系企業が入居するオフィスビルはほぼ決まっていて、ピンポイントで移動できるメリットもある。工業団地への移動などがなければ、わざわざドライバー付きレンタカーを借りずに、近いホテルに宿泊、またはタクシー移動も一つの手だろう。時間が限られる出張では、効率性が何よりも重要だからだ。

ただ、ホテルの宿泊料金は若干高め。「この価格でこのクオリティ?」ということもよく聞くので、今回の「WiSE BUSINESS 2016」で紹介しているホテルを選んでもらえれば問題はない。  接待に使いやすいレストランも思った以上(失礼!)に充実していた。日本食からイタリアン、ときに高級なミャンマー料理もあり、2泊3日程度なら困ることはまったくない。

ミャンマー進出の際に、停電と家賃の高さがネックとされるが、日本の大手企業が提供するレンタルオフィスやオフィスビルでは、独自のジェネレーターを備え、停電時に備えている。また、インターネットの回線も速く、安定したサービス提供を行うことが可能。このあたりは日系企業独特の“かゆいところに手が届く”細やかな配慮がうれしい。

最近では、製造業に関わる日系企業の進出が目覚ましく、背景には工業団地へのアクセスのよさもあるだろう。市内から車で30分程度のところに有名な「ティラワ工業団地」があり、同地に通う駐在員が増加傾向。これはバンコク以上のメリットといえよう。ちなみにゴルフ場も市内から至近。創立100年の名門コース「ヤンゴンゴルフクラブ」がすぐというのは、ゴルフ好きにはたまらない(しかも安い)。

また、至るところで英語が通じるのは、出張中に限らず安心できるポイントの一つ。そこのスムーズさは、タイで“使えないこと”に慣れている分、想像以上に快適であり、当然ビジネスシーンでも同じことがいえるだろう。  まずは一度、その目でこの国の可能性を探ってみてほしい。思った以上に発見が多いのは間違いない。

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ビジネスから生活まで現地のあるある情報

英語事情、文化風習


ミャンマーはかつてイギリスの植民地だったことから、英語が公用語として使われてきた。また、幼少から教育され、大学の授業はほとんど英語で行われている。国民の大半が流暢というレベルではないが、街中やレストランでも普通に英語が使えるのはありがたい。また、ミャンマーに着いて驚くのは、男性がスカート(ロンジー)をはき、女性や子どもたちがおしろい(タナカ)のようなものを顔に塗っていること。ロンジーは、ミャンマーの民族衣装であり正装。ハワイのアロハシャツのようなもので、公共機関の職員はロンジーをはいている。また、タナカは樹木から作られ、顔に塗ることで清潔さ(毎日塗っているというアピール)を表す。

人件費の高騰


ミャンマーにも人件費高騰の波が及んでいる。物価も上昇し、街中でコーヒーを飲めば、もはや価格はバンコクとそう変わらない。ミャンマーの名目GDPは1人1,200ドルだが、ヤンゴン中心部は3,000ドルとも言われ、購買力については、ベトナムの都市部とも変わらないとされている。一般のワーカーの賃金はまだまだ低いが、大卒のマネージャークラスの人件費は高騰化傾向で、もはや完全に売り手市場。転職事情も同様で、予想以上の人件費がかかることも多々聞く。優秀な人材を確保しにくくなっており、バンコクと同じような状況を迎えている。

 

ミャンマー基本情報

正式国名:ミャンマー連邦共和国
首都:ネピドー
公用語:ミャンマー語
国土面積:68万平方キロメートル
民族:ビルマ族(約70%)
人口:5148万人(2015年5月、出所:ミャンマー入国管理)
在留日本人:1367人(2014年12月現在)
国教:仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等
通貨:チャット(一部でドルも使用可)
為替:1米ドル=1,179チャット(2016年8月末現在)
GDP:628億ドル(2014年)
1人当たりのGDP:1,221ドル(2014年)
タイとの時間差:ー30分
国際電話番号:+95

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