政策金利、引き上げ?

景気回復・安定で、いよいよ金融引き締めか

長らくタイ中央銀行が定める政策金利は、1.50%とされ、金利を決める金融政策決定委員会(MPC)は、実に28会合連続で据え置き決定を下してきた。ところが、タイの経済成長が順調に推移している点や、世界的に金利が上昇している状況から、いよいよ金利を引き上げようとする動きが出てきている。地元紙によれば、タイ中央銀行のウィラタイ総裁が「仮に金利が上昇しても、経済成長の障害にはならない」と、引き上げが間近であることを示唆したそうだ。また、同委員会でも、出席者7人のうち3人が、1.75%に引き上げるべきだと主張しているという。

ちなみに「政策金利?」と首を傾げた人のためにおさらいしておくと、政策金利とは、国の中央銀行が定め、銀行間(個人や法人ではない)のお金の貸し借りに使われる金利で、日本では「無担保コール翌日物金利」とも言われる。これは、銀行同士がお金の貸し借りをする所を“コール市場と”呼び、翌日物とは、借りたお金を翌日に返すことに由来し、銀行が他の銀行から1日だけお金を借りる時の金利を指す。市中銀行は、中央銀行が決めた政策金利以下ではお金を貸し出しできず、法人や個人にとってはお金を借りる際の金利が高まることに繋がる。

閑話休題。現在の1.50%という金利は、2014年のクーデターの発端となったデモによる政治混乱で、経済成長率が下がった際に定められた。あれから3年以上が経過し、タイ財務省財政局は、今年の国内総生産(GDP)成長率を前年比4.5%増と予想。さらに、国内消費や民間投資が拡大し、成長を牽引しているとも指摘した上で、タイ経済は引き続き成長軌道にあるとした。

一方で、タイ中小企業ネットワークのポーンチャイ会長は、「政策金利が引き上げられれば、銀行金利も高まり、中小企業の経営は苦しくなる。消費者の購買力も実際はそれほど高まっていない」と反対する。果たして、現在のタイに、金融引き締め政策が本当に必要なのか。引き続き注視していきたい。

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