タイの少子化対策

人口問題を抱える課題先進国“ニッポン”から学べることはあるか?

 

量がダメなら質を。金の卵プロジェクト始動

 


最近、「タイは少子高齢化時代に入った」との会話をよく聞くようになった。中でも危機感を抱くのは、労働者不足を懸念する製造業の方々だろう。

結果、製造現場の効率化を含めたFA(自動)化を急ぐ企業も多い。2017年のタイの60歳以上の人口は16.8%で、今後も急速に高齢化が進行するそうだ。ご存知のとおり、高齢者の増える理由として、寿命が伸びたことが挙げられるが、最大の理由は晩婚化も含めた少子化だ。

国連人口基金によれば、タイの合計特殊出生率(出産可能とされる15〜49歳までに一人の女性が産む子どもの数の平均)は、1964年に6.3%だったのが、現在は1.6%と下がり、20年後には1.3%まで下がると言われている。ちなみに、人口を維持し続けるためには2.1%が必要であり、このまま少子化が進めば人口減は避けられない。

当然、タイ政府も手をこまねいているわけではない。今年1月には新たな少子化対策として、子ども1人当たりに申告できる個人所得税の控除額を、現在の子ども1人につき3万バーツから、2人目以降は倍の6万バーツに引き上げた。

しかし、特殊出生率の上昇が容易でないことは、少子高齢化社会の大先輩“ニッポン”を見ればわかる。行政主導の婚活、不妊治療助成、待機児童の解消、保育・教育費の負担軽減策などさまざまに取り組んでいるが、大きな成果は見られない。

それはさておき、タイの出生率上昇のための取り組みとして新たに浮上したのが、「1000日間の奇跡」なるプロジェクトだ。脳細胞が最も成長すると言われる期間は、母胎にいる時から2歳まで。その期間中に栄養価の高い食事を計画的に与えることで、脳細胞が活性化され、優秀な人材が育成されるという算段だ。

“灯台下暗し”ではないが、増やせないのであれば質を高める。まさに、“金の卵”を作ろうということなのだろう。

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