アジア最大級の日本イベント
JAPAN EXPO THAILAND 発起人


今年行われた「JAPAN EXPO THAILAND 2017 organized by ジーユークリエイティヴ
(以下JAPAN EXPO THAILAND)」の来場者は3日間で延べ50万人。7月にはマレーシアで
初開催を遂げ、国内外問わず日本文化を発信するタイ人・Yuri さんの軌跡を辿ります。

※夏に開催される「JAPAN EXPO」とは別団体です。

 

母親の影響で、幼少期から何度も日本を訪れていたというYuriさん。物心ついた頃から日本が大好きだったと言い、同じ想いをもつ学生たちをサポートしたいと1998年に立ち上げたのが、日本語学校「MAINICHI」でした。

「日本人とコミュニケーションをとるために日本語は欠かせないと、訪れるたびに感じていました。また当時のタイでは、J-ポップやロックといった日本の音楽が一部で流行っていたんですが、日本語を勉強できる場所が少なかったんです。『日本の曲を日本語で歌いたい』という声を聞いていたので、それなら私が学校をつくろうと思ったのがきっかけです」。

学校では、語学と並行して日本への留学支援サービスを提供。タイからの留学生受け入れ先となる提携校は、当初の2校から今では100校に増え、学生たちの選択肢が徐々に広がっていきました。

教育×エンターテインメント
“JAPAN FESTA”誕生

「語学学校が少しずつ軌道に乗る一方で、日本好きな学生たちが交流できるイベントを開きたいと考えるようになったYuriさん。そんな時に縁が重なり、実現したのが、現在の前身となる「JAPANFESTA in Bangkok」でした。

会場は、MBK前広場。当時、人気を博したモーニング娘。やΛucifer(リュシフェル)らの曲を参加者がカバーし、ステ
ージ上で披露。集まった観客も一緒に歌ったり踊ったり。また、日本の漫画が好きなコスプレイヤー同士が交流するなど、1日で約3000人を集める大成功を収めます。イベントが終わってホッとしたのも束の間。MBK側から「好評だったから、毎月開いてくれないか?」と打診され、月1回の開催が決定します。それからは毎月、イベントに向けて準備の日々。楽しみながら日本の文化を学べるよう、七夕や子どもの日、ひな祭りなど日本にまつわるテーマを月替りで設定していきました。

少しずつ常連客も増え、3年目はサイアムパラゴン前、4年目はセントラルワールド前へと場所を移し、その規模はどんどん拡大。「セントラルワールド前は、駅から少し離れていることもあり、お客さんが来てくれないのではと不安もありました」と、Yuriさんは当時の心境を振り返りますが、蓋を開けてみればそんな心配はどこへやら。多くのファンが集まり、ここでもやっていけると確信しました。

10年目の大きな挑戦
“Must Be Real JAPAN”

気がつけば、イベント立ち上げから9年が経過。「次の段階に挑戦したい。大人も子どもも関係なく、みんなが楽しめる新たなイベントを提供したい」。さらなるステップアップを求めて考えついたのが、「JAPAN EXPO THAILAND」でした。

EXPOという名のごとく、これまでの音楽やコスプレだけでなく、食べ物やファッション、雑貨、観光などさまざまなジャンルの“日本”を集めた大規模イベントを計画。こだわったのは、“Must Be Real Japan(本物の日本)”。フュージョンやコラボではなく、メイド・イン・ジャパンの商品・サービスにこだわったブランドやメーカーに声をかけ、構想から5年。“本物”
に出会えるイベントとして2014年、「JAPAN
EXPO THAILAND」は産声をあげました。

「テーマの設定、会場デザイン、ゲストの方々とのやりとり、出展ブースの調整、全体のスケジュール管理、打ち合わせなど、業務は多岐にわたります」とYuriさん。イベント期間は食事も寝る暇もないと言い、会場内をくまなく歩き回り、チェックを怠りません。

ただ、どんなに確認を重ねても、イベントには予期せぬトラブルがつきもの。Yuriさんは、その場で臨機応変に対応しつつ、イベント後にはしっかりとスタッフに対処方法の共有を徹底します。これまで大小合わせて100以上のイベントの指揮を執ってきた経験から、何が起きても決して慌てません。

「トラブルが起きても、“逃げずに、誠実に、助け合う”ことが出来れば、大抵のことは解決できると思いますし、みんなにもそれを伝えています。ごまかさず、真摯にと」。

3回目を迎えた今年は、ピコ太郎を筆頭に50組のゲストが登場。出展ブースは200以上、来場者数も過去最大の延べ50万人に達するなど、注目度は年々高まっています。そうして苦楽を共にしたスタッフたちは家族のような存在だと、Yuriさんは信頼を寄せます。そして来年以降は、スタッフに自分の業務を少しずつ引き継いでいくのだそう。

身軽になった自身が、次に向かう先は?

「今後は、テクノロジーを駆使した近未来型アクティビティを取り入れようと計画中です。あとは、日本の文化が丸ごと体験できるような施設を頭の中で描いています。ビジネスにおいて、タイと日本の架け橋になれるように……考えるだけで、ワクワクしますよね」と、笑顔を見せるYuriさん。“日本が大好き”という想いが、次なる一歩の原動力です。

毎年、日本から多数のゲストが出演し、会場は熱気に包まれる

今年、初開催のマレーシアではピコ太郎がゲストに登場

列車の旅が好きなYuriさん(「ななつ星in九州」にて)


PROFILE
Yuri(ニックネーム)
Yupharet Eakturapakal
タイ・バンコク生まれ。「Mainichi Academic Group」代表取締役。イベント運営会社「G-Yu Creative Co., Ltd.」代表取締役も兼任。大学卒業後、1998年に「MAINICHI」を立ち上げ。2014年「JAPAN EXPO THAILAND」を開催、現在に至る。仕事・プライベート含めて100回以上日本を訪問(特に温泉・鉄道の旅が好き)。

 


編集部より
仕事でもプライベートでも、出会った人との繋がりを大切にするYuriさん。「周りの人から、Yuriに会うとパワーをもらえると言われます。なんでですかね?」と不思議そうにしていましたが、取材をする中でその理由がわかりました(山形)

取材・文 山形 美郷


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