シャムネコを未来へ残す
“ネコの家”を助けたい


「生まれた時からネコがそばにいる生活が当たり前でした」
自身が愛してやまないネコと、減少の一途を辿るタイ原種のシャムネコ
保護・繁殖センター「ネコの家(バーンメオ)」への想いを尋ねました。

 

タイ雑貨とネコカフェのお店として、今年14年目を迎えた「Chico」。そのオーナーを務めるのが、大のネコ好きである松本幸子さん(通称チコさん)。お店には15匹前後のネコがいると言い、訪れた人たちに癒やしのひとときを与えてくれます。竹と藁で造られた“ネコハウス”の中には、愛くるしいシャムネコの姿も。

「捨てられているネコを見ると、放っとけないんです。周囲の人もそれを知っているみたいで、お店の前にネコが捨てられていることもあります。エサやワクチンなどお金の面で大変なこともありますが……見捨てられないですよね」。

これまでにタイで飼ったネコは48匹。街を歩く時には、食堂などで飼われているネコや道ばたのノラネコが「今日もいるかな」と探したり、「いつものソイにあの子がいないけど大丈夫かな」と心配したり、ついついネコのことを考えてしまうのだとか。「頭の中には“バンコクネコマップ”が入っていますよ」とチコさんは笑います。

インテリア内装の仕事がきっかけで、タイに来たというチコさん。タイ各地を訪れる中で出会った伝統技術に魅了され、それを生かした雑貨を作りたいと一念発起。さまざまなエリアを訪れて自ら交渉し、オリジナルの商品を生み出していく一方、ネコの数もどんどん増え、ネコカフェとしての知名度も高まっていきました。

大好きなネコのために
私ができることは何だろう

ウィチェンマー(シャム)、コラート、コッパー、ボンベイ、カオマニー。これは、現在生き残っているタイ原種のネコ。過去には29種いたはずが5種にまで減り、稀少な存在になっています。その内の一種であるシャムネコの繁殖と、病気や高齢になったシャムネコの保護を75年前から行っているのが、アンパワーに設立された「バーンメオ」。現在、保護されているネコは130匹前後。チコさんはNHKの番組制作のコーディネーターとして2011年に初めて訪問し、運営者のプリチャーさん(81歳)と出会いました。

「最初のきっかけは仕事だったんですが、その後もネコたちのことが気になって……個人的に通っておじいさんの話を聞いたり、少ないながらも寄付をしたり、時にはシャムネコの里親を探したりしていました」と、チコさんは振り返ります。

けれど、寄付に頼っていたバーンメオの運営は深刻化。今年になってプリチャーさんから「施設の老朽化が著しく、自分も高齢なので施設を継続していくのが厳しい状況だ」と相談されたのだそう。その言葉を聞いてチコさんの胸に沸き上がったのは、「タイのネコたちを何とか未来に残していきたい。より良い環境で見守ってあげたい」という強い想いでした。

考えた末、クラウドファンディングへの挑戦を決意。施設改修の資金を集めるため、今年9月から募集をスタート。詳細な準備のかいあって、45日間で目標金額の倍となる資金集めに成功し、来年1月から改修工事に乗り出します。

加えて、11月から12月には、H.I.S.と連動した4日間限定の“日帰りネコツアー”を企画。バーンメオを見学した後、Chicoでシャムネコと遊べるスケジュールになっていると言い、「ツアーを通してバーンメオを知ってもらえたら」とチコさん。長らく構想していたアイディアがやっと実現できたと、顔をほころばせます。

今後もネコに寄り添い、時に支えられながら、チコさんの毎日は続いていくのでしょう。ともに暮らす未来を描きながら。

「バーンメオ」を訪ねるツアーは残すところ12月3日(日)・9日(土)の2日間。詳細はH.I.S.まで(写真はプリチャーさん)
©川床和代


PROFILE
松本 幸子 Sachiko Matsumoto
「Chico」オーナー。1969年、埼玉生まれ。1997年来タイ。2004年、スクンビット・ソイ34に「Chico」をオープン。2007年、現在のスクンビット・ソイ53に移転。ご主人と8歳のネコ好き息子とネコ3匹、犬1匹と暮らす。今年10月、スクンビット・ソイ23にナーサリー「KIDS HOME」をオープンし、多忙な毎日を過ごす。好きな場所はChicoの端の席、アンパワー。リフレッシュ方法は、ムエタイ。

 


Chico

オリジナルのタイ雑貨多数!
ネコカフェでひと休みも◎

お土産にも普段使いにもぴったりな雑貨を多く揃え、ネコがたくさんいるカフェでもある(カフェ利用者はバーンメオから来たシャムネコたちと遊べます)。
[問い合わせ]
Address 109 Soi Renoo Sukhumvit 53
Tel 02-258-6557
営業時間 9:30〜18:00(火曜定休)
Facebook Chico-design-bangkok


編集部より
初めてなのに初めてな気がしない、出会った人を明るい気持ちにさせてくれる人。それがチコさん。どんなネコに対しても我が子のように鼻を近づけて微笑む姿に、見ているこちらが優しい気持ちにさせられました(山形)

取材・文 山形 美郷


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