ランニングと食を通して伝えたい
“健康と幸せ”の在り方


「世界で一番長い距離を走れる場所はどこだろう」。そんな想いから始まった
アメリカ大陸横断への挑戦。その夢を達成した勝山敦行さんが次に目指す、
ランニングの枠を超えた“健康と幸せ”への道すじとは。

 

2015年、アメリカ大陸を走って横断するという偉業に挑んだ勝山さん。ルート66を辿ったその距離は5019キロ。毎日70キロを走り続け、79日目でゴールを迎えました。さぞや満身創痍かと思いきや、ケガもなく倒れもしなかったというその背景には、20年の準備期間がありました。

もともとスポーツが苦手で走るのも遅かったという勝山さん。長い距離は走れたため距離を追求し、最長で200キロのレースに出場したことも。それでは飽き足らず、選んだのがアメリカ大陸でした。

「アメリカは大学時代に留学した国であり、日本とはまた違う型破りで自由な空気がとても刺激的で大自然も強烈に美しい。だからこそ走りたかったんです」。

こうして始まったアメリカ大陸横断への長い旅路。過去、同様に挑んだ人は数知れず。けれど、達成者はわずか500人。その難しさを知っているからこそ、並大抵の走力では無理だと、靴などの装備や食事、サプリメント、マッサージなど、いいと言われるものは全て試してきたそう。

そして15年目に出合ったのが、裸足で走る“ベアフットラン”。その気持ち良さにいたく感動するとともに、装備やモノに安易に頼るのでなく、裸足を含めた人間の身体機能を最大限に活かす走り方を取り入れるようになりました。それによって、無痛・無怪我でアメリカ横断を達成。「モノができることには限界があるが、ヒトの能力は無限大」だと、その効果を自ら証明したのでした。

夢を実現した後に
自分の“使命”に気づいた

「次は、どこを目指すの?」。アメリカ横断前から幾度となく投げかけられたこの質問。その答えが、ある人によって明確になったと勝山さんは言います。「こういうチャレンジをする人は、自分の“夢”の先にある“使命”を実行していく人なんだよ」。これは、かつて地球1周に挑んだ間寛平さんをアメリカ横断時にサポートし、勝山さんの横断時にもエールをくれた石川龍平さんからの言葉でした。

そうして掲げたのが、ランニングと食を通じた健康と幸せのサポート。「幸せの基盤となる健康は、食事などの一要因では手に入りません。運動、食、休息、精神状態。主に、この4つの調和が大切です。僕ができるカタチで、そのお手伝いをしたいと思ったんです。それが、多くの友人と妻に支えられたアメリカ横断への恩返しになるとともに、自分がなすべき夢と使命に繋がると思っています」。

現在は、自身が経営するヴィーガン(完全菜食)カフェを基点に活動中。世界中から、健康意識の高い人たちが訪れるといいます。また、今年にはカンチャナブリーにランナーズ合宿所を設営。少しずつ、想いが現実になっていますが、まだまだこれから、と勝山さん。

タイでは、ランナー人口が急増する一方で、知識がないままにランニングを始め、ケガや疲労で諦める人も少なくありません。勝山さんは、自らのランニング技術を伝える講習会を開くとともに、講演会やワークショップを通して夢と使命の大切さを伝えるなど、自身の経験を周囲に生かす取り組みにも力を入れています。

「ケガや疲労で走れなくなる人たちをこの世の中からなくしたい。また全く走れなかった人たちが痛みもなく、楽に走れるようになった姿を見るのは、何よりうれしいですね」。そう話す勝山さんの目は、遥か遠くを見つめていました。

シーナカリン大学の体育学部とともに“地域を巻き込んで”開催するラン&ウォーク講習会(月に1回)

 


PROFILE
勝山 敦行 Atsuyuki Katsuyama
「Bonita Cafe & Social Club」オーナー兼「Thailand 100 Miles Run Club」主宰者。1967年生まれ。大阪府出身。大学卒業後、パナソニック入社。日本、タイを含めた6カ国で勤務し、2012年退社。同年、タイに移住してカフェをオープン。20歳でランニングを始め、2015年アメリカ大陸を走って横断(日本人初となるルート66全行程走破を達成)。日本ルート66協会委員。

 


Bonita Cafe Social Club

Thailand 100 Miles Run Club

[問い合わせ]
BTSスラサック駅から徒歩10分強
Tel:081-355-6616
Tel:bonita.c.sc@gmail.com
Website:bonitacafesocialclub.wordpress.com


編集部より
現在、出版に向けてアメリカ大陸横断の日々を執筆中という勝山さん。文字に起こすことで新しい発見がいっぱい出てきたと目を輝かせるその姿は、まるで少年のよう。5大陸走破の実現を期待せずにはいられません。(M)

取材・文 山形 美郷
 


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