タイのメーデー

「労働者の日」メーデー。タイでも労働環境改善が訴えられた

 

メーデーの5月1日。バンコクでも労働環境改善を訴え、集会が行われた。
タイ労働連合委員会と国営企業労働連盟は、国連事務所で集会を開催。タイ労働連合委員会のチャーリー副委員長は壇上で、「昨年、最低賃金を360バーツへ引き上げるよう求めたが、結局は310バーツ止まり。これは一人暮らしでもギリギリで家族を養える金額ではない」とし、「本来であれば(倍額の)620バーツが必要だが、政府の反応は芳しくない」と、現状に対する不満を吐露した。また、同集会では4月に政府へ提出した請願書も公開。「家族をまかなうに足る最低賃金の見直し」「(定年後の厚生年金増額など)社会保険制度の改善」「倒産手当支払の義務化」「投資によるリスク保証の基金設立」など10項目の内容を改めて確認した。
一方、プラユット暫定首相は労働省で開催された、タイ労働会議、国営企業労働組合連盟、インフォーマル・セクター・ネットワークの集会に出席。「国際労働基準の第87号(結社の自由及び団結権の保護条約)、第98号(団結権及び団体交渉権条約)の批准」「社会保険の改善」「インフォーマル・セクターの生活と福祉に関する法律の改善」「国営企業の民営化政策の中止」「(全員に退職金が支給されるよう)退職積立金法の改善」の5項目を提示した請願書が、同集会代表のシナチョート氏により手渡された。
メーデーの要望に関し、首相は「最低賃金引き上げと厚生年金増額には、関係各所との話し合いが必要。結論が出るまで待ってほしい」と留め、ラジオを通じて、「国にとって大事な存在である労働者には、深く感謝している。政府としては、失業率ゼロを目指しており、農業・製造業等、職種に関係なく、全国民の生活水準上昇のため、尽力する」と国民にメッセージを送った。
なお、ニダポールが1250人の労働者を対象に行なった調査では、生活水準について、「昨年から良くなった」と回答した人は約3割に留まっている。

 

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