【タイ進出動向】トヨタ、新型の新興国戦略車を初輸出 他

経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介。今週は、トヨタ、新型の新興国戦略車を初輸出のニュース他3本。

新型の新興国戦略車を初輸出。1トンピックアップ車の拠点に
トヨタ自動車

新型ハイラックスの輸出開始記念式典の様子(TMT社提供)

新型ハイラックスの輸出開始記念式典の様子(TMT社提供)

 

トヨタ自動車は2日、今年5月に生産が開始され、11年ぶりのフルモデルチェンジとなった1トンピックアップトラック新型「ハイラックス」をタイ最大の貿易港レムチャバン港から初輸出したと発表した。欧州や中東、豪州など世界100ヵ国・地域に向け、出荷を加速させる。2015年中に19万台を輸出する計画で、来年は30万台を目標としている。
ハイラックスはトヨタが投入を進める新興国戦略車(IMV)の代表車種。使用する部品の90%をタイ国内で調達しており、タイ政府としても「国産車」としての位置づけから高い恩典を与えている。全世界で生産するハイラックスの70%はタイ工場で生産され、「メイド・イン・タイランド」は今やトヨタの企業戦略として重要なポジション。こうして生産された1トンピックアップトラックやミニバンなどトヨタのIMVは、今では世界190の国・地域に輸出されている。
トヨタは1997年のアジア通貨危機で得た教訓を活かして、生産拠点の現地化を加速。タイでの1トンピックアップトラック生産についても、順次、日本からラインを移設するなどしてきた。2004年にはタイから完成車を初輸出。年間の生産能力を60万台まで引き上げるとともに、これまでの累積輸出台数は240万台に達し、数年以内のうちに300万台を突破する見通しだ。
2日に開かれた記念式典にはタイ政府側からプリディヤートン副首相(経済担当)も参列。「ハイラックスの輸出開始はタイ経済の底上げ、景気の回復にもつながるはずだ」と最大限の賛辞を送った。タイ市場は昨年、前年までの反動から自動車業界が伸び悩み、失速傾向にある。こうしたことから、政府内では輸出の増加に活路を見出そうという意見が根強い。

 


 

6/26 サハ・グループと物流合弁事業開始
セイノーホールディングス

総合貨物輸送のセイノーホールディングス(岐阜県)は6月26日、タイの消費財大手サハ・グループと業務提携を行い、合弁会社を設立すると発表した。サハが扱う食品や家庭用品の各種配送を担いながら、将来的には他の事業への参入やAEC(ASEAN経済共同体)の発足を見据えた周辺国への進出も視野に入れる。新会社はセイノー・サハ・ロジスティクス。資本金は2,000万バーツ(約7,200万円)で、出資割合はセイノー51%、サハ39%など。当面はサハがタイ国内に持つ倉庫などを活用しながら物流網の構築に臨む。事業開始は8月末を予定。5年で売上高50億バーツを目指す。


 

6/29 ミャンマーにタイ関係会社の支店を開設
住友電気工業

住友電気工業(大阪市)は6月29日までに、タイにある関係会社スミトモ・エレクトリック(タイランド)がミャンマー最大の都市ヤンゴンに支店を開設したことを明らかにした。情報通信や電力、交通など社会インフラに関連する製品の販売や市場調査、現地代理店の営業支援などを行う。同関係会社は1989年にバンコクに設立。住友電工グループが扱う製品の販売や調査、各種企業活動の支援などを手がけてきた。


 

7/1 訪日タイ人需要見込み現地法人設立
東武トップツアーズ

東武鉄道系の旅行会社、東武トップツアーズ(東京都)は1日、バンコクに現地法人を設立した。TOBU TOP TOURS (Thailand) Co., Ltd.で、資本金は200万バーツ(約720万円)。同社が49%、残りをタイの観光業者らが出資した。潜在需要の見込まれる訪日タイ人の新規開拓を進めるほか、日系企業などを中心に企業の日本出張などの手配、タイから第3国に向けての旅行なども手掛ける。2016年度の売上目標6,200万バーツを目指す。同社は今年4月1日、東武トラベルとトップツアーが合併して誕生した。

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る