【タイ進出動向】三菱自動車、海外初の走行テストコースを開設 他

経済成長を続けるタイで、躍動する日系企業の“いま”をトピックで紹介

海外初の走行テストコースを開設 R&D機能強化・技術者育成が目的
三菱自動車

新設された走行テストコース開所式の様子(MMThのHPから)

新設された走行テストコース開所式の様子(MMThのHPから)

 

タイを自動車生産及び輸出の重要拠点と位置づける三菱自動車は、東部チョンブリー県シラチャー郡ノーンカーム地区に社内で海外初となる走行テストコースを開設した。8日に開所式を行い、チャッカモン工業大臣らタイ政府首脳が参列した。同社はタイにおける生産販売現地法人「ミツビシ・モーターズ・タイランド(MMTh)」を通じてグループの研究・開発(R&D)機能強化を打ち出しており、テストコース新設もその一環。タイ工場で生産する自動車の品質強化・商品力強化を推し進めるとともに、技術者の育成にも貢献させたい考えだ。
テストコースの敷地面積は約15万2000㎡。汎用路のほか、フィーリング試験路、模型路、1500mの周回路、整備ヤードなども備える。タイ工場では生産車の80%近くを海外に輸出していることから、日本や欧米市場などの気象条件を想定したコースの仕様も施した。ここで走行テストを繰り返しながら、出荷先市場向けに最適な自動車用部品などの研究・開発を加速させていく計画だ。

そのための技術者養成にも力を入れる。すでに今年度、100人規模での新規採用も決めた。理工系大学院の新規修了者などを主なターゲットに、人事部門の強化も図る。入社後に行う社内研修制度の見直しや人事査定・評価の整備も合わせて進める。ゆくゆくは、開発・設計から生産・管理、販売・輸出、人材育成までをMMTh内で完結したい考え。

MMThの2015年の生産目標は前年比2万台多い36万台。年間の生産能力は42万台で、フル操業で50万台まで対応が可能。今後の市場の変化やタイ拠点の重要性の向上などにより、新たな工場やライン新設等の余地も残している。


 

5/18 自動車部品の設備投資に約68万ドルの強調融資
広島アルミニウム工業

アルミ製自動車部品の鋳造を手掛ける広島アルミニウム工業(広島県)は18日までに、中堅・中小企業向け海外事業支援のための投資クレジットラインの制度を活用し、三菱UFJリースのタイ法人BMULとの間で総額約67万8,000米ドルのファイナンスリース契約を締結した。
自動車部品の製造・販売事業に必要な設備資金に充てる。BMULが国際協力銀行と民間金融機関との間で締結した貸付契約に基づく強調融資。国際協力銀行の融資分は約46万1,000ドル。


 

5/19 排ガス浄化用セラミックスの生産拠点を設立
日本ガイシ

日本ガイシ(名古屋市)は19日までに、自動車の排気ガスを浄化する作用のあるセラミックスの生産拠点を中部サムットプラーカーン県に開設することを決めた。そのための製造子会社「NGKセラミックスタイランド」を設立する。浄化用触媒担体ハニセラムのほか、排ガス中の粒子状物質を除去するディーゼル・パティキュレート・フィルターなどを生産する。
2018年4月の生産開始を予定し、20年までに総額約500億円を投資する。自動車生産台数の増加や排ガス規制が強化されることを見込んでの措置。


 

5/21 タイ発電公社とLNG連鎖事業の覚書締結
東京電力

東京電力は21日、タイ発電公社(EGAT)との間で、液化天然ガス(LNG)の調達から輸送、供給、発電まで一連の連鎖事業(バリューチェーン事業)に関する協働覚書(MOU)を締結した。
今後、LNGの調達に必要な法規制などの情報交換や人材研修を密にする。東電は今年4月末、世界最大のバリューチェーン事業を構築するため、中部電力と共同で東京都内に新たな折半出資会社「JERA」を設立。海外発電事業の拡大を進めてきた。EGATとの事業についても必要な準備が整い次第、JERAに移管する考え。

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