【注目のタイニュース/9月12日〜18日】バンコク爆発事件から1ヵ月 他

週刊ワイズで取り上げた【タイローカルニュース】注目をピックアップ。これさえ読めば、タイの“今”がわかる!? 今週は、爆発事件から1ヵ月、容疑者が犯行否認のニュースから。
470_thailocalnews

 

爆発事件から1ヵ月
容疑者が犯行否認

バンコク都心のラチャプラソン交差点にあるエラワン廟(びょう)で死者20人、日本人1人を含む負傷者100人以上を出した、爆発事件が発生してから17日で1ヵ月が経過した。その間、タイ警察は容疑者2人を逮捕し、12人の逮捕状を取った。15日、マレーシア警察はタイの爆発事件に関係する3人を拘束したと発表。同日、タイ国家警察庁のチャックティップ副長官がマレーシアへ引き渡し交渉に出発した。
また、16日、タイ国家警察庁長官のソムヨット大将は「ラチャプラソン交差点で発生した爆発事件の原因は、タイ政府が外国人による人身売買の取り締まりを強化しているからだろう」と中国へ強制送還したウイグル族との関係を示唆した。だが、同日プラユット暫定首相は「ウイグル族を中国に送還した件とは関係ない」と長官のコメントを一蹴している。
一方、爆発事件の関係者として逮捕された、ビラー・ムーハムマット容疑者の弁護士であるシューシャート氏は、メディアに対し「同容疑者は、爆発事件に関係ないと言っている」と容疑を否認していることを明かした。同弁護士によれば、容疑者は4月にトルコを出発して、ベトナムに入ったが、そこでアデム・カラダクという名前で偽造パスポートを作成。ラオス経由でタイに入国した。容疑者は「爆弾を作ることなんてできない。部屋で発見された(爆弾を作る)材料は、警官や軍隊が持ってきて、写真を撮った」と軍や警察によるでっち上げだと語っているという。(12日=タイラット、15日=マティション、デイリーニュース)


 

ドンムアン空港が世界一
LCC旅客数

タイ空港公社のニティナイ・シリサマッタカーン社長は15日開かれた国際航空工業セミナーで講演し、バンコク北部にあるドンムアン国際空港が格安航空会社(LCC)の利用客数で初めて世界一となったことを明らかにした。今年11月には新たに日中韓のLCCの就航が予定されており、今後も増加が見込まれる。
今年8月までの旅客数は2250万人で、すでに年間の収容能力である1850万人を超えた。同空港では現在、第2旅客ターミナルの改装作業が行われており、12月にも共用を開始。収容能力は3000万人に膨れ上がる見込みだ。新たな駐機場の確保も必要となっており、空港を管理する空港公社ではLCC各社に投資を呼びかけている。
(16日=デイリーニュース)


 

短期貸しコンドに警鐘
ホテル業法に違反の指摘

ホテル業法で禁じられているコンドミニアム(分譲マンション)の短期貸しが横行しているとして、ホテル協会などが警鐘を鳴らしている。このまま無秩序に推移すれば、当局による行政介入が行われる見通しだ。
同協会会長らによると、コンドミニアムは室内にキッチンやリビングがあり、主に外国人に人気で、通常のホテルよりも安く貸し出されることが多い。一方で、ホテル業法はホテルとして登録されていない不動産の短期貸しを禁じており、この「短期」をめぐる解釈がグレーゾーンとなっている。(14日=プラシャシャート、マティション)


 

学生ローン回収加速
財産差し押さえも

タイ奨学金機構のティッティマー・ウィシャイラット機構長は16日、財務省の公共機関「タイ学資ローン基金機構」の現状について明らかにした。現在、同ローンを利用したり、社会人となって返済義務を負っている人は約75万人。ところが近年、仕事に就き収入があるというのに返済を行わない人が増えているという。
同機構では回収業務の一部を債権回収会社に委託。昨年実績で8億バーツを回収したほか、今年は50億バーツを見込んでいる。また、督促しても応じない人の財産を差し押さえるための訴訟提起も始めた。(17日=デイリーニュース)


 

児童ポルノ法が12月施行

18歳未満の子どもの保護を目的とする児童(子ども)保護法が、12月に施行されることが確実となった。
子どものわいせつな写真や動画を販売した者には、3年以上10年以下の禁固、もしくは6万~20万バーツの罰金が科せられる。インターネットサイトなどに送信した場合も摘発対象となり、7年以下の禁固もしくは14万バーツ以下の罰金。携帯電話やパソコン内に所持していた場合でも5年以下の禁固もしくは10万バーツの罰金となり、併科もある。(13日=デイリーニュース)


 

レジ袋削減
30日も「ゼロの日」

毎月15日を「レジ袋ゼロの日」として買い物バッグなどの持参を呼びかけている天然資源環境省は、初めての「ゼロの日」となった8月15日だけで180万枚のレジ袋を減らすことができたと発表した。このため同省は新たに毎月30日も「ゼロの日」として運動を拡大していく方針だ。百貨店やスーパーなどに協力を要請している。(15日=カプック)


 

手足口病が流行
10年ぶりのウイルスも

保健省疾病予防局のソーポン・メークトン局長は13日、今年1月から9月8日までの手足口病の感染者が全国で2万6407人に上ったと発表した。死者は3人。今年は、重い症状を引き起こすエンテロウィルス71というウイルスが10年ぶりに確認されており、手足に水疱を伴う発熱があった場合は早期に治療を受けるよう呼びかけている。
患者が確認されたのは、北部がパヤウ県、東北部がアムナートチャルーン県、中部がサムットプラーカーン、アーントーン、シンブリー、ナコーンパトム、サムットソンクラームの5県、東部がチャンタブリー県、南部がナコーンシータンマラート、パンガー、プーケット、ラノーン、スラートターニー、ヤラーの6県。(14日=カプック)


 

カニクイザル駆除に失敗
雌ザル去勢に切り替えへ

バンコク西南端バーンクンティアン区周辺に棲息する特定外来生物カニクイザルの個体数が増えたことから、この地域での駆除作業を実施してきた天然資源環境省は13日、中間報告をまとめて発表した。それによると、リーダー級の雄ザル数匹を捕獲し、去勢手術を実施したところ、いずれもグループから離脱するようになったものの、エサを求めて民家に侵入。食べ物を盗むなどの被害が相次ぐようになった。このため、同省では今後は雌ザルに対する去勢手術に切り替えるほか、同地域のサル300匹のうち3分1程度をラチャブリー県の禁猟区に移す計画も進めている。(16日=プラシャシャート)


 

新たな成長計画を策定へ
省庁ヒアリングを開始

国家経済社会開発委員会(NESDB)は14日、新たな国家成長計画「2017~21年国家経済社会開発戦略計画」策定のための意見聴取を関係省庁から開始した。「経済成長率5%の達成を目標とし、中進国からの脱却を目指す」としている。
同計画は5年をめどに更新され、今回が12回目。2~3%と低迷する国内総生産(GDP)の対前年比成長率を5%台まで引き上げることを最大の目的とする。(14日=バンコクビズ)


 

少女殺害事件で死刑
「罪は重い」と裁判長

タイ国鉄の長距離寝台列車で昨年7月、乗客のタイ人少女(13)が乗務員に性的乱暴を受け、殺害された事件で、中部プラチュワップキーリーカン県ホアヒン市にある控訴裁判所は14日、殺人罪などに問われ一審で死刑判決を受けた元国鉄職員ワンシャイ・セーンカオ被告(23)の控訴を棄却する判決を言い渡した。ソムジェート・アムヌアイサワット裁判長は「罪は重い」と理由を述べた。
事件は7月6日に発生。少女は姉、妹らとともに南部スラーターニー県の親戚宅を訪ね、バンコクに戻る途中だった。この日、乗務していたワンシャイ被告は乗車前に覚醒剤を摂取し、ビールを飲んだうえで犯行に及んだ。殺害後は遺体を車窓から遺棄。少女の遺体は沿線の草むらの中からみつかった。
事件を受けて国鉄では改革に着手。列車内での飲酒及び酒の販売を厳禁としたほか、女性専用の寝台車両を設置した。(14日=プラシャシャート)


 

英国人殺害でDNA不一致
科捜研所長が証言

タイ湾に浮かぶ観光地タオ島の海岸で昨年9月、旅行中の英国人男女2人の他殺体がみつかった事件で、殺人などの罪に問われているミャンマー国籍の男2人に対する公判がスラーターニー県サムイ島の裁判所で11日開かれ、被告人側証人として科学捜査中央研究所のポーンティップ・ロージャナスナン所長が出廷。複数の凶器のうち鍬(くわ)に付着していたDNAと、被害者2人のDNAの型が「一致しなかった」と証言した。
事件をめぐっては、女性の遺体から採取されたDNAと被告人のものが一致したことが決め手となり、2人も犯行を認める供述をしていた。ただし、逮捕が事件発生から2週間以上も経過した後だったことなどから、英国メディアを中心にでっち上げ説が浮上。プラユット暫定首相がこれを否定するなどした経緯があった。(11日=タイラット、12日=デイリーニュース)


 

高速鉄道の着工延期
タイ中、建設費で隔たり

タイ政府が中国の支援を受けて建設する高速鉄道の着工が早くても12月以降にずれ込むことが確実となった。10月23日の着工を予定していた両国政府の検討会議で、中国側が提示した建設費がタイ側の概算見積もりよりも2~3割も高額だったことが理由。タイ政府は中国に対し、詳細な見積書の提示を求め、延期が決まった。アーコム・テームピッタヤーパイサーン運輸相は「延期されたが、12月には着工する。工期は3年を予定」と言明した。
タイ側の試算では、建設費は約4000億バーツを見込んでいる。中国側には鉄道建設により雲南省からラオスを経由し、タイ湾に至る輸送網を確保する狙いがある。(13日=ポスト・トゥデイ)


 

男2人死亡で女を逮捕
殺人教唆容疑

バンコク都内ブンクム区のホテルで11日、タイ人の男2人がナイフを手に争い、2人とも死亡した事件で、タイ警察ラプラオ署は14日、現場に居合わせたタイ人の女ナットニシャー・サワッディポン容疑者(23)を殺人教唆の疑いで逮捕した。
死亡したうちの43歳の男が、ナットニシャー容疑者が麻薬を摂取する様子を携帯電話で撮影、公開するなどと脅迫していた。このため同容疑者が携帯電話を奪おうと、もう一人の28歳の男に殺害を依頼。男は指定されたホテルに警察官を装って侵入し、もみ合ううちに双方とも胸などを刺され死亡した。同容疑者は、殺害の依頼については否定した。(12日=デイリーニュース、14日=マティション)


 

中国人男女が高額ダイヤ盗む
飲み込み、手術で取り出す

バンコク郊外のイベント施設「インパクト・ムアントンターニー」にて、10日から14日まで開催されていた宝石の見本市「第56回バンコク・ジェム&ジュエリー・フェア2015」で、客を装った中国人の男女が展示されていた6カラットのダイヤモンド(時価1000万バーツ相当)を偽物とすり替えて盗み出す事件が起きた。スワンナプーム国際空港の警察は、出国しようとした男女の身柄を空港で取り押さえ、ダイヤを飲み込んでいた女の体内から被害品を回収。2人は窃盗容疑で刑事裁判にかけられる見通し。(12日=タイラット、13日=Mタイニュース)


 

6歳男児を義母が殺害
夫への嫉妬が原因

中部アーントーン県で6歳の男児が暴行され、死亡する事件があり、現地のウィセートシャイシャーン署は10日、男児の義理の母を傷害致死などの容疑で逮捕した。犯行を認めており、殺人罪への切り替えも視野に入れる。
9日朝、様子を見に行った父親が口から血を流している男児を発見。病院に運ばれたものの死亡が確認された。頭部には固いもので殴られたような跡があった。警察が同居していた義理の母から事情を聞いたところ、「(男児と)一緒に住むようになって夫から無視されるようになった。嫉妬があって、首を絞めて殺害した」などと供述している。(9、10日=サヌック)

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る