どうなる? 新物品税

酒税、たばこ税、ガソリン税など異なる税法を統合

 

6日、タイ財務省のソムチャイ物品税局長は、国民立法議会(NLA)で可決成立した、新物品税法案(間接税)が、官報サイトへの掲載後、6カ月以内に発効されるとの見通しを発表。同法案では、酒税法やたばこ税など、既存の7つの関連法案を統合させる。また、課税対象を現行の「工場渡し価格」または「CIF(運賃・保険料込み)」から、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売する際の希望小売価格へと一本化させるという。ただ、現状では新法案に基づいた税率や対象物品など詳細は不明で、今後、細かな規定を定める80以上の関連法案が見直される見込みだ。
これを受けて、インターネット上では、「(酒税)増税でお酒が高くなり、もう飲めなくなる」と嘆く声や「消費者負担増となる」といった批判や不安が相次いでいる。早速、地元紙ターンセッタギットは、変更されるであろう、新酒税に関して独自予想を掲載。酒税は、前述の希望小売価格のほか、酒税計算式を、従価税 (製造原価や販売費用など)+アルコール度数に変更。さらにアルコール度数が高いほど税率が上がるなど、酒類別の新酒税表と共に載せた。
ある税の専門家は「メーカーへの税負担が重くなれば、負担コストを消費者に転嫁するという意見もあるが、改正後は全般的に税率が引き下げられるので一概には言えない」と話す。さらに、ソムチャイ物品税局長も、「対象が希望小売価格となれば、輸送を含めた生産コストや利益など、これまで秘密だった事項が明らかになり、メーカー側の値上げ理由も、消費者にはっきり示される」と即座に値上げへは直結しないと説明。
とはいえ、歴史上、税改正で消費者への影響がないということは考えにくい。思い返せば、高速鉄道を中心に大規模インフラ整備を控えるプラユット暫定政府は、発足直後から、財源確保を目的とした、新税の導入や税制改正に力を注いできた。陣頭指揮を執る財務省物品税局としても、競争原理を促すための税体制の構造改革と財務基盤強化は悲願だ。しかし、今後、着手する80以上に及ぶ関連法の改正は、消費者や各業界からの反発も必至な難題だけに、どう収めるのか、同局長の手腕が問われる。

 

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