コムローイの課題

火事や航空機のエンジン故障。 伝統行事がもたらす弊害が取り沙汰されている

“世界で最も美しいお祭り”とも賞される「ロイクラトン(イーペン)」。

今年も幾千のコムローイ(ランタン)が夜空に打ち上げられ、幻想的な世界を魅せるチェンマイには、国内外から多くの観光客が訪れた。

ところが、その舞台裏ではコムローイによる事故や被害も発生している。

中でも、有名なのが航空機への影響だ。

航空会社の中には祭り期間のフライトを欠航させる動きもあり、とある航空会社によれば「飛行の安全を考慮すれば致し方ない」とのこと。

それを証明するかのごとく、当日(11月11日)の午前便を操縦したパイロットが自身のフェイスブックに、「上空約4000メートルの高さで飛行中にコムローイが飛んで来た。

文化・風習は大事だが、時代のルールに則って行うべきだ」と投稿。

その他、ハウス栽培農園には、火がついたままのコムローイが落下。

ビニールハウスに大きな穴が空く被害を受けるなど、SNS上でコムローイによる被害や影響が報告された。

そもそも、「ロイクラトン」はタイで旧暦12月の満月の夜に行われる祭りで、コムローイに願いを込めて夜空に放つ他、川の神に感謝を込めて灯篭(クラトン)を流すなどする伝統行事の一つ。

しかしながら、近年では前述のような航空機への影響や火災など、多数の被害が発生していることも事実。

当然、被害を受けた人からは批判の声もある。

今後どのように伝統を残していくのか。

法整備(ルール化)も含めて議論は必要だろう。

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