世にも滑稽な真珠ものがたり

超希少な“お宝GET”で一攫千金を夢見た男の逮捕劇。 天国から監獄へと急転直下の12日間に、いったい何が…

力のある石は人を幸せにもするが、不幸を招くこともよくある――。

ナコーンシータマラート県で先日、こんな格言を地で行く事件が起きた。

昨年、タイ南部の海岸で非常に高価な「龍涎香(りゅうぜんこう)」が見つかったと報じたが、現地ではこれに続かんとする住民が続出。

今、“宝探し”が小さなブームとなっている。

同県で漁業を営むハッチャイ氏(37)とその弟もまた二番煎じを狙っていたが、先月27日、拾った貝の中からオレンジ色のまばゆい玉を発見。

こちらも希少価値の高い真珠「メロパール」の可能性があると判明したことから町はザワつき始めた。

本物なら市場価格で500万B以上、海外のオークションでは9千万Bの値がつくという噂が錯綜し、海辺には人々が殺到。

また、同氏がこれをSNSに投稿すると、近隣の資産家や収集家が100〜500万Bで買取を申し出たという。

しかし、もっと高値を見込めると欲をかいた同氏は渋り、中国在住のバイヤーに1,000万Bで売却する運びとなった。

天にも昇る心地だったのだろう。

同氏は「夢の中でお告げを受けた。

これは私の運命を変える石だ!」と嬉しさを爆発させた。

ところが12日後、事態は一変する。

実はこのハッチャイ氏、お尋ね者だったのだ。

奇しくも時の人となったことで捜査が加速し、今月7日に覚せい剤所持で現行犯逮捕された。

当然ながら取引は白紙となり、事件にコメントを求められた海洋学者からは本物の可能性は低いとの指摘も。

また「さっさと売ればよかったのに」「不幸のパワーストーン」と世間の声も辛辣なもので、身から出たさびとはいえ茶番はあっけない終わりを迎えた。

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