コブラが街にやってくる!

このところの異常発生で住宅街はコブラ禍の様相。
1ヶ月間に30匹以上のコブラが捕獲されたわけとは…

タイの寺院を訪れると、頭をいくつも持ったコブラの像を見かけることが多い。これはナーガ(蛇神)と呼ばれるインド神話に起源を持つ神で、釈迦が悟りを開く際に守護したとされ、仏法の守護神とされている。

タイ人の多くに神として崇められることが多いコブラだが、生きている本物の個体が目の前に現れたら、きっとほとんどの人が恐怖を感じるのではないだろうか。そんなコブラが、昨年の雨季頃から街中や住居の中に現れることが目立っている。4月中旬には、子ども部屋の中でコブラが這いまわっている映像が、「最近になって何匹目になるんだろう」というコメントとともにSNSへ投稿されて話題に。この家があるサムットサーコーンの住宅地ではコブラが大量発生していて、この1ヶ月間で30匹以上が警備員に捕獲されたという。

都市化がものすごい勢いで進むバンコクや近郊で「なぜ、コブラがいるの?」といぶかしむ人もいるかもしれないが、これらのエリア一帯は元々コブラの生息地。あのスワンナプーム国際空港でさえ、当初は「ノーングーハオ(コブラの沼)空港」と呼ばれていたという。この地帯には今でも数千匹のコブラが生息しているとされ、その数は増えているというから恐ろしい。

いつ、コブラが人家に侵入したとしてもおかしくない状況だが、これは都市開発に大きく関係している。沼地や水辺などコブラが生きるための場所が急速に減り、地盤沈下によって生じた建物と土台の隙間が絶好の巣穴になるとのこと。

コロナ禍過ぎてコブラ禍来たる…都会での人と野生動物の共存は、こんな形でも社会問題化している。

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