ゆで玉子の波紋

1個のゆで玉子を分け合って食べる道徳的な挿話。
ネット上で大きな波紋を読んだ教科書の内容とは…

今、ネット民の間でタイの道徳にまつわることが話題になっている。きっかけは、パサパティというタイの教科書のとあるページの写真がFacebookに投稿されたことから始まった。

そのページの内容とは、裕福な家庭の子と孤児院で暮らす仲良し同士の子がいて、ある日裕福な家庭の子が孤児院へ遊びに行った時の話。2人はそこで一緒にご飯を食べることになるのだが、食卓にあるのは「ゆで玉子」が1個と白米のみ。それを見た裕福な家庭の子が「これじゃ足りないよ」と言ったところ、孤児院で暮らす子がゆで玉子をスプーンで半分ずつにしてほぐし、そこに白米とナンプラーをかけて混ぜ合わせる食べ方を教えたという。

これが話題となった理由は、裕福な家庭の子がそんな清貧な行いに感銘を受け、「こういうのが本当の幸せ」だと気づいたことを解いている教科書の内容だった。そんな教科書の挿話に対して多くの声は、「道徳的な観念を伝えるにしても価値観が時代遅れ過ぎる」 「貧困を美化しているのが大問題」「貧しさは幸せにつながると刷り込んでいるようで気味が悪い」などと痛烈批判。

一方ではこの教科書の内容に肯定的な政治家が「ゆで玉子は息子も大好き。美味しいし栄養がいっぱい」などと妙な投稿をしたところ、ネット上ではさらに炎上してしまった。普段は大人が見向きもしない教科書だったが、この騒ぎで一躍注目を浴びることに。他の教科書にも同じような古い価値観で書かれたものが多いことから、議論は続いているようだ。

この時代、道徳にも進化することが求められているのかもしれない。

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