議論渦巻くCode Milk法

「頭がよくなる」など限度を超えた誇大広告に対する政府の回答
広告業界、粉ミルクメーカーなど各所に波紋が広がることは必至

 

21日、母乳代替製品(粉ミルクなど)のマーケティングに関する規定「Code Milk法」が立法議会で採決され、世間から注目を浴びている。
その内容とは「乳児・小児の定義付け」「乳児・小児向け食品の規定」などが細かく定められ、最大の争点となったのが「生後から3歳までの乳児・小児向け母乳代替製品(粉ミルク)のCM及びマーケティング活動の禁止」というもの。つまり粉ミルクの広告をテレビCMはもとより雑誌媒体などメディアでの宣伝が禁じられるという。
いささか厳しいご沙汰にも思えるが背景にあるのは、誇大広告の問題。いくつか実例を挙げると、A社は自社の粉ミルクを乳児に飲ませると、「頭がよくなる!」と大々的に宣伝。しかし、脳の発達に効果的とされる有効成分量が少なく、母乳のわずか20%にしか満たなかったことが判明。またB社では、CMに国民的人気女優を起用し、「このミルクさえあれば安心!」とPRさせたが、実際には乳児・小児の発育に必要な栄養分が含まれていなかったという。ほかにも「母乳と変わらないだけの栄養が入っています」と謳いながら、まったく母乳と成分がかけ離れているなど、枚挙にいとまがないほど“嘘だらけ”の誇大広告が横行していた。
一方、大打撃が免れられない母乳代替製品製造協会のキッティマー会長は異なる見解を示した。「厳しい検閲が入ることで、正確な成分量であっても修正・変更を余儀なくされるかもしれない。結果として、正しい情報が消費者に行き渡らず、栄養が偏った代替製品を選ぶことにつながる。よって乳児・小児の発育に悪影響が出る」と苦しい独自の理論を展開している。
また、影響はそれだけにとどまらない。マーケティング活動の一切を禁じられれば、テレビCM、雑誌媒体などへの広告も掲載中止となる。タイ広告協会は、年間約100〜120億バーツを失う可能性があると懸念を示し、物流や小売り業界にもマイナスが波及することは避けられず、各方面に与える経済的損失は計り知れないだろう。
今回の「Code Milk法」の採決は、誇大広告是正のためのターニングポイントとなるかもしれない。今後の動きに注視していきたい。

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