【中国】半導体フォトレジスト強化、中国企業が相次ぎ投資へ

【亜州ビジネス編集部】

半導体のリソグラフィー工程で使用される重要材料「フォトレジスト」の分野で、今年は8月から9月にかけて企業による投資表明が相次いでいる。26日付DRAMエクスチェンジが報じた。

8月15日、上海新陽半導体材料股フン有限公司は、ハイエンドフォトレジストの研究開発(R&D)と生産プロジェクトへの投資に向けて15億人民元(約234億円)を調達すると発表した。

9月14日、江蘇雅克科技股フン有限公司は、フォトレジストと関連試薬に6億人民元を投資する計画を表明。

9月16日、斯坦得企業(集団)は、安徽省馬鞍山市でのレーザーダイレクトイメージング(LDI)用ドライフィルムと半導体フォトレジストの生産に15億人民元を投資すると発表した。

9月末、天津久日新材料股フン有限公司が、微芯新材によるフォトレジストのR&Dに対し、2000万人民元の投資を表明した。

中央政府は9月23日、国家発展改革委員会と工業和信息化部(工業情報化部)、科学技術部、財政部が共同で、フォトレジスト、大型シリコンウェーハ、電子パッケージング材料の分野で技術革新を目指す方針を公表している。

2019年のフォトレジストの世界市場規模は90億米ドル(約9420億円)に達し、JSR、東京応化工業、信越化学工業、住友化学、富士フイルムの日本の大手5社が供給の9割を握っている。技術的障壁が高い一方、市場は小さく、成長力は限定的なため、新規参入企業は少ない。

中国では過去2年、ファウンドリ産業が大きく成長し、フォトレジストの需要が拡大した。液晶パネルでも、国内でパネル本体の生産が拡大する一方、サプライチェーンの育成が遅れ、重要材料を海外メーカーに頼る状況を招いており、この二の舞は避けたい。また、昨年の日韓貿易摩擦は重要材料の国産化の必要性を強く認識させた。個々の企業が利益を上げられるか否かよりも、半導体産業の安定を図ることが発改委によるフォトレジスト発展方針の戦略的意図だ。


亜州ビジネスChina
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