【ベトナム】鉄鋼価格がやや低下、高騰が一服

【亜州ビジネス編集部】

鉄鋼大手のホアファット・グループ(HPG)など複数の鉄鋼メーカーはこのほど、鉄鋼の販売価格を6%前後引き下げた。

原料価格の下落に伴うもので、建設業者らは、昨年末から高騰していた鉄鋼価格が年内は落ち着くことを期待している。ハノイタイムズが伝えた。

ホアファットは9日、「CB240」と呼ばれる圧延鋼材を値下げ。1トン当たり1720万ドン(約8万2000円)とし、1カ月前の1830万ドンから6.0%引き下げた。

また棒鋼の価格も1トン当たり50万〜70万ドン引き下げた。

一方、ベトドゥク・スチールも圧延鋼材を5.3%下げて1トン1700万ドンとした。

ベトナム鉄鋼協会(VSA)のドー・スアン・チエウ副会長は、値下げは原料コストの70〜80%を占める鉄鉱石やインゴットの価格低下に伴うものと説明。中国の大連商品取引所では9月限の鉄鉱石先物が1トン当たり173.03米ドルとなり、6月以降で最安値を付けた。チエウ副会長は、中国での需要がやや落ち着き、鉄鉱石の価格が下がったとしている。

またベトナム国内では6〜7月の雨期到来で建材需要が低下。これが国内鉄鋼価格の下押し要因にもなっている。

5月末の報道によれば、国内の鉄鋼価格は1年前から2倍近くに跳ね上がった。手ごろな住宅が市場から姿を消し、不動産会社の倒産が相次ぐと懸念の声が上がっていた。

鉄鋼価格の上昇がやや落ち着いたものの、VSAのギエム・スアン・ダ会長は、住宅建設が過熱すればまた上昇に転じるだろうと指摘。調査会社フィッチ・ソリューションズは最新のリポートで、今年下半期の鉄鋼価格を1トン800米ドルと予想しており、従来予想から140米ドル引き上げている。供給不足が原因で、来年には600米ドルに落ち着くとみている。


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