【シンガポール】21年の経済成長率7.2%、11年以降で最高

【亜州ビジネス編集部】

貿易産業省が3日発表した2021年の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率は前年比7.2%となり、前年のマイナス5.4%からプラスに転じた。伸び率は11年以降で最高。

新型コロナウイルスの抑え込みから共存に舵を切った政策によって経済が活発化し、活動制限で景気が落ち込んでいた前年からの反動もあって高い伸びとなった。

全ての産業でプラス成長となった。製造業は12.8%で、前年の7.3%から加速した。半導体を含む主力の電気・電子部門が好調だった。建設業は18.7%で、前年のマイナス35.9%からプラスに転じた。

サービス業の成長率は5.2%で、前年のマイナス6.9%からプラス転換。うち情報・通信・金融・保険・プロフェッショナルサービスが6.8%で最も伸びが高く、卸小売り・運輸・倉庫が4.3%、宿泊・外食・不動産・管理支援サービスが4.0%で続いた。

4Qは5.9%成長

21年第4四半期の実質GDP(速報値)成長率は前年同期比5.9%で、4四半期連続のプラスとなった。全ての産業でプラス。製造業は14.0%と最も高い伸びで、前四半期の7.9%から加速した。建設業は2.0%だった。サービス業は4.6%で、3四半期連続のプラスだった

全体のGDP成長率は季節調整済み前四半期比でプラス2.6%となり、2四半期連続でプラス。前四半期の1.2%から加速した。産業別では製造業が4.2%、サービス業が2.5%のプラス。建設業はマイナス4.4%だった。

現地報道によると、リー・シェンロン首相は年頭演説で、22年の成長率予想を3.0〜5.0%とし、貿産省が21年11月に発表した予測を据え置いた。一方、OCBC銀行のアナリストは、活動制限の度合いにより22年の成長率が大きく左右されるとコメント。隔離なしでシンガポールに入国できるVTL(ワクチン・トラベルレーン)の追加導入がサービス業などの鍵を握るとしている。なおオミクロン株の出現を受け、マレーシアとのVTLについては12月23日から1月20日まで新規提供が停止されている。


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