【タイ】対サウジ輸出3倍へ、30年ぶり国交正常化で

【亜州ビジネス編集部】

タイ商工会議所(TCC)のサナン会頭は、サウジアラビアへの輸出額が年間50億米ドルに拡大するとの予測を示した。タイとサウジアラビアが30年ぶりに国交を正常化したことで貿易が後押しされ、2021年の15億米ドルから3倍以上に拡大すると見込む。ネーションなどが伝えた。

両国の関係は1989年にサウジアラビアの宮殿でタイ人従業員が宝石を盗んだ事件を発端とする「ブルーダイヤモンド事件」をきっかけに悪化。全体の輸出額に占める対サウジアラビア輸出額の割合は21年に0.6%まで低下していた。国交正常化により、同事件前の2.2%の水準に回復する可能性があると同会頭は予測。品目別では、自動車・部品や食品、電子機器などが有望とみている。

タイのプラユット首相が1月下旬にサウジアラビアを訪問し、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談。外交関係を正常化することで合意した。今後はホテルや建設業へのタイ人労働者の派遣なども回復が見込まれる。かつてサウジアラビアはタイにとって中東で最大の労働市場であり、タイ人の出稼ぎ労働者は20万人以上に達していたが、関係悪化後に大きく減少した。


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