【タイ】1QのGDP2.2%増に加速、年間予測は下方修正

【亜州ビジネス編集部】

国家経済社会開発委員会(NESDC)が17日発表した2022年第1四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で2.2%増だった。プラス成長は2四半期連続で、前四半期の1.8%増から伸びが加速。新型コロナウイルス対策の活動制限が緩和され、個人消費が回復した。だだ、観光業の本格的な回復には至っておらず、GDPは新型コロナ流行前の19年第1四半期を2.4%下回る水準にとどまっている。また、物価高が消費の重しとなっており、同委は21年通期の見通しを下方修正。成長率予測を2.5〜3.5%に引き下げた。

第1四半期の個人消費は3.9%増に加速した。新型コロナ対策の緩和でホテルや外食などサービスの消費が前四半期のマイナスからプラスに転換。自動車など耐久消費財の販売も上向いた。固定資産投資もプラス転換しており、うち民間投資は2.9%増加。建設部門は低調だったものの、機械設備への投資が5.4%伸びた。輸出はコモディティー価格の上昇などで物品輸出が2桁増を維持。また、外国人観光客の受け入れ再開に伴いサービス輸出が30.7%増と急伸した。ただ、サービス輸出額は新型コロナ流行前の3分の1程度にとどまっている。

GDPを生産面から見ると、前年同期に大幅減だった宿泊・食品サービスが34.1%増と高い伸びを示した。一方、製造業は1.9%増となり、前四半期の3.8%増から減速。電気・電子業が落ち込んだほか、ベースメタルなど原材料関連も低調だった。

第1四半期の結果を受け、同委は22年通期のGDP成長率予測を2.5〜3.5%に下方修正した。2月の時点で3.5〜4.5%を見込んでいたが、その後にロシアのウクライナ侵攻などで物価高が加速しており、消費への影響に対する懸念が高まった。22年の物価上昇率は4.2〜5.2%と予測し、2月時点の予測の1.5〜2.5%から引き上げた。


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