【フィリピン】2Qの経済成長率7.4%、前四半期から減速

【亜州ビジネス編集部】

フィリピン統計庁(PSA)は9日、2022年第2四半期の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年同期比で7.4%増だったと発表した。高水準を維持しているものの、前四半期の8.2%増(修正値)からは低下。物価高で消費がやや減速したほか、ウクライナ情勢の悪化や中国のロックダウン(都市封鎖)の影響で輸出が伸び悩んだ。一方、新型コロナウイルス対策の活動制限の緩和に伴い、宿泊や運輸などの産業は回復に向かっている。


GDP成長率はアナリスト予測の7.5%をやや下回った。また、季節調整済み前四半期比ではマイナス0.1%だった。

GDPの6割超を占める個人消費の伸びは前年同期比で8.6%。5四半期連続のプラスとなったものの、物価高騰が重しとなって前四半期から減速した。輸出の伸びも鈍化しており、外需の低迷や世界的な物流の混乱が影響した。一方、政府支出は11.1%に加速。設備投資も前四半期を上回る勢いだった。

成長率を生産面からみると、製造業が2.1%にとどまり、5四半期ぶりの低水準を記録。外需が振るわず電子や化学などが低調だった。一方、新型コロナからの回復で建設業は19.0%、サービス業は9.1%と大きく拡大。外国人観光客の受け入れ再開によって、サービス業では宿泊・食品サービスと運輸・倉庫が共に30%弱の高い伸びを示した。5月半ばには駅や職場、商業施設などの人の流れがコロナ前を上回る水準まで回復したという。

上半期のGDP成長率は7.8%だった。政府は22年通期の成長率目標を6.5〜7.5%としている。国家経済開発庁(NEDA)のバリサカン長官は、第2四半期の成長率について、政府目標に沿っており、東南アジアではベトナムの7.7%に次ぐ2番目に高い水準だったと評価。ただ、下半期も物価高や新型コロナ感染拡大に引き続き警戒する必要があると指摘した。


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