【ベトナム】22年のGDP成長率予想、世銀が7.5%に引き上げ

【亜州ビジネス編集部】

世界銀行は8日、ベトナムの国内総生産(GDP)成長率が2022年に7.5%となり、21年の2.6%から大きく加速するとの予想を発表した。6月時点で予想した5.8%から上方修正。新型コロナウイルス禍により減速した反動で、製造業とサービス業が伸びるとの見方で、23年も6.7%と高成長を維持するとみている。


21年は新型コロナ規制で経済活動が停滞したことにより、1986年にドイモイ(刷新)政策が打ち出された後で最低の成長率となった。ただ四半期別にみると、年後半から回復傾向にあり、21年第4四半期の成長率は前年同期比5.2%、22年第1四半期には5.1%、第2四半期には7.7%と高水準にある。

一方、世銀は22年のインフレ率を3.8%と予想した。新型コロナからの経済回復に伴う需要拡大やウクライナ危機を受けたコモディティー価格の上昇により、22年は大きく加速するとの見立て。21年は1.8%で、2年ぶりに減速していた。

世銀は、インフレ圧力が高まり、世界的に下押しリスクが多く潜む中、短期的な対応としてベトナム政府が景気刺激策の実行やセーフティーネットの強化などに注力し、貧困層や物価高で影響を受けた国民を救済することが重要とした。

また、ベトナムが長期的に成長を持続するには、生産性を年2〜3%引き上げる必要があることも指摘。さらに35年までに上位中所得国、45年までに高所得国入りを果たすには教育制度改革が必要とした。上位中所得国レベルに教育水準を引き上げるには、大学進学者数を19年実績の2倍の380万人に引き上げる必要があるとしている。


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