【フィリピン】8月のインフレ率6.3%、前月からやや減速

【亜州ビジネス編集部】

フィリピン統計庁(PSA)が5日発表した2022年8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で6.3%だった。依然として高水準にあるものの、前月からは0.1ポイント低下。原油価格が下落基調にあるほか、野菜の値下がりが指数を押し下げる要因となった。


全13項目のうち金融サービス(0.0%)を除く12項目がプラス。うち前月から低下したのは、食品・非アルコール飲料(6.3%)と運輸(14.6%)、情報通信(0.4%)の3項目のみだった。横ばいが1項目で、残り9項目は上昇。一部食品とエネルギーを除くコア指数は前月を0.7ポイント上回る4.6%となり、18年12月以来、3年8カ月ぶりの高水準だった。

食品では前年同月に値上がりが顕著だった野菜(マイナス2.7%)がマイナスを記録し、魚や肉、トウモロコシは高水準ながら前月を下回る伸びだった。一方、上昇が加速した9項目では、アルコール飲料・たばこ(9.3%)や住居・水道・電気・ガス・その他燃料(6.8%)が高かった。

1〜8月のCPI上昇率は4.9%。政府が22年のインフレ目標に定めた2.0〜4.0%の上限を上回って推移している。フィリピン中央銀行は8月半ば、22年のCPI上昇率予測を5.4%と発表。インフレ抑制に向け、5月以降に緊急利上げを含め4カ月連続で政策金利を引き上げている。


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