【タイ】3QのGDPは4.5%増、個人消費拡大で伸び加速

【亜州ビジネス編集部】

国家経済社会開発委員会(NESDC)が21日発表した2022年第3四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で4.5%増だった。プラス成長は4四半期連続で、前四半期の2.5%増から伸びが加速。

前年同期に新型コロナウイルス対策の影響で落ち込んだ反動があり、個人消費が大きく伸びた。産業別では製造業が需要の拡大を受けて2四半期ぶりのプラスに転じた。同委員会は22年の年間のGDP成長率を3.2%、23年を3.0〜4.0%と予測した。

第3四半期の個人消費は9.0%増と、12年第4四半期以来、39四半期ぶりの高い伸びを記録した。

新型コロナ対策の緩和による観光客数の増加などが寄与。インフレの逆風はあったものの、自動車を含む幅広い品目で消費が拡大し、特にレストラン・ホテルが88.4%増と伸びが大きかった。また、民間投資は商用車の販売増などで11.0%増加。うち前四半期にバーツ安の影響などで落ち込んでいた産業機械への投資はプラスを回復した。

外国人観光客の増加に伴い、サービス輸出は87.0%増加。ただ回復は道半ばで、サービス輸出額は依然として新型コロナ前の19年第3四半期を50%近く下回っている。物品の輸出は2.7%増と伸びが減速した。

製造業が6.3%増

GDPを生産面から見ると、製造業が6.3%増となり、2四半期ぶりのプラス。コンピューター・電子を除く幅広い分野で生産が拡大した。観光関連では宿泊・食品サービスが53.6%増、運輸・倉庫が9.9%増だった。

第3四半期の結果を受け、同委員会は22年通期のGDP成長率予測を3.2%に修正。8月時点で予測した2.7〜3.2%の上限とした。個人消費や民間投資の予測を上方修正している。23年のGDP成長率は3.0〜4.0%の見通し。世界経済の減速で輸出が伸び悩むものの、消費や投資が堅調に拡大するとみている。インフレ率は22年に6.3%の高水準となった後、23年には2.5〜3.5%に減速すると見込む。

マクロ経済の運営については、金利が上昇する中で個人・中小企業の債務問題の解決に優先して取り組む必要があると指摘。また、農家への支援や、新たな輸出市場・輸出品の開拓、外国人観光客の誘致なども重要課題になるとしている。


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