【タイ】3月の工業生産5%減、6カ月連続でマイナス

【亜州ビジネス編集部】

工業省工業経済事務局(OIE)の4月28日発表によると、2023年3月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は104.7となり、前年同月比で4.6%低下した。前年同月を下回るのは6カ月連続。輸出の落ち込みが続く中、電子や化学などが低調に推移しており、指数の構成比が高い食品もマイナスに転じた。季節調整済み前月比でも4.6%の低下だった。

主要10品目のうち8品目が前年同月比でマイナス。電子(16.3%低下)は2桁の低下が続いており、主力のハードディスク駆動装置(HDD、31.9%低下)やプリント基板アセンブリー(PCBA、17.1%低下)が大きく落ち込んだ。一方、集積回路(IC、0.8%上昇)は小幅ながらプラスを維持した。ほか、化学(10.2%低下)は化学肥料やプラスチック粒の不振が続き、ベースメタル(12.1%低下)では鋼板と条鋼が2桁の低下。食品(5.6%)は砂糖や飼料の落ち込みで3カ月ぶりの前年割れとなった。

自動車は10カ月連続のプラス

一方、自動車(8.2%上昇)は10カ月連続のプラス成長を記録。半導体不足の改善を背景に乗用車(29.9%増)が大きく伸びたほか、1トンピックアップトラック(0.9%上昇)の指数も前年同月を上回った。ただ、3月の1トンピックの生産台数は5.8%減少している。

同時に発表された3月の製造業設備稼働率は66.1%だった。前年同月比で3.5ポイント低下する一方、前月比では3.3ポイント上昇した。うち自動車の稼働率は84.1%で、前年同月比で5.5ポイント上昇、前月比で5.2ポイント上昇。3月としては4年ぶりの高さとなった。


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