“売られる”ウイグル族

タイを恐怖に陥れた連続爆発事件。逮捕された容疑者の多くが、
ウイグル族と関わりがあった。タイに来る彼らの目的とは?

バンコクでの連続爆発事件。16日、タイ国家警察庁のソムヨット長官はこれまで明かされなかった動機について「ウイグル族をトルコに出国させる組織の逆恨み説が強い」と話した。

逆恨みの背景とは以下だ。今年7月、タイ政府はトルコ系中国人約100人をタイ国境で拘束し、その後、中国に強制送還。本国に戻されれば、どんな仕打ちが待っているかわからない。欧米諸国はタイ政府の対応を強く批判し、一時はトルコのタイ大使館がデモ隊に取り囲まれ、話題となったのは記憶に新しい。

では、そもそもウイグル族はなぜタイに入国しようとしたのか? タイはかねてより人身売買の温床とされ、米国務省が2015年に発表した「人身取引報告書」において、最低ランクの「Tier 3」に格付けされている。これはコンゴやイラン、北朝鮮などと同様。ほぼ政府が機能していない国と同じ扱いであり、そのレベルは推して知るべしだろう。同報告書では、タイは人身売買の“輸出入”の拠点で、今年に入り、すでに約600人の違法入国者がいたこともわかっている。

人身売買組織は、母国の迫害から逃れるため、国を捨てる少数民族などを狙い、犯行に及ぶ。先日まで話題になっていたロヒンギャ族などは、まさに同様のケース。そして、近年急増してきたのが、ウイグル族だった。

ウイグル族は、中国からトルコに入れば、二度と母国には戻れない。そのため私財をすべて金に変えるため、ロヒンギャ族に比べて資金が潤沢。そこに目をつけたのが、タイの人身売買組織だった。「タイは入国しやすい」といった誘い文句でウイグル族をミャンマーまで連れていき、車で国境まで移動。タイのイミグレーションでパスポート、国籍を証明する書類を捨てさせ、さらに職員をワイロで買収する。この段階でウイグル族に金がなければ入国はおろか、中国にも戻ることができず、結果、強制労働や性的産業に売られるというのが常套手段だ。タチが悪いのが、イミグレの職員も関与している点であり、ワイロという甘い蜜を断ち切ることができないため、根は深い。

汚職と金。根本的な問題がクリアされなければ、治安維持も難しいことは間違いないだろう。

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