“超低金利”学生ローン問題

学生時代に借りた借金を返済しない人が続出し、話題に
政府がメスを入れ、4年間の未返済には財産没収も実施

タイには「奨学金」とは別に、学生向けの公的なローンがあるのをご存知だろうか。1998年、財務省の肝いりで開始した「タイ学資ローン基金機構」は、高校生や大学生、職業訓練生をサポートするための、年利約1%という超低金利ローン。15歳〜60歳までの学生が対象で、家庭の収入が年20万B以下という条件を満たせば申請可能。ハードルの低いローンとして、多くの学生が利用しているものの、あまりにも未払いが膨らみ、現在大きな社会問題となっている。

同ローンが施行されてから現在まで450万人が申請をし、310万人が未完済で、そのうち210万人の支払いが滞っている。2013年の調査では、債務者の実に8割が未完済だったこともわかった。

そのため政府もなんとか回収すべく、「12ヵ月支払うと3ヵ月分免除」「金利割引プロモーション」など携帯会社ばりの施策を試したが、あまりふるわず、最近では4年間に一度も支払わなかった場合、金融会社にブラックリストとして情報を提供し、さらには財産の差し押さえといった厳罰も実施するようになった。05年から15年までに裁判所の令状を受けた人数は、約2万6000人にも達し、未返済の総額は32億5000万Bにも上る。

同ローン担当のティティマー代表は「債務者に返済能力がなければ、両親などの保証人の資産を没収する」と厳しい姿勢をみせながら、一方で「できれば没収は避けたい。本当に返済できないなら、調停で減額できるよう交渉してほしい」と訴えた。ちなみに最も未払いが多いのが、医学部、看護学部の学生だった。

学生時代、学資ローンで借金をしていたTさん(26)に話を聞くと、Tさんは毎月4000Bの仕送りだけでは足りず、2200Bの学資ローンを生活費に充てていた。学生時代に借りた総額は14万6000Bで、金利を含めると約16万B。今は10年以内の完済を目指している。未払いの現状についてTさんは「財産没収も仕方がないですね。借りたものは返すのが当然ですから」と至極真っ当なスタンスだった。

全世帯の80%が債務を抱えているタイ。まさに「借金することに抵抗がない」ことを示しており、これもまたタイが抱える課題の一つと言えるだろう。

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