タイローカル塾に変革の波

不景気、少子化、入試形態の変化… 唯一の好調は「Eラーニング」だという

今から10年ほど前、タイにも学習塾ブームが到来し、市場が大きく開花した。

しかし昨今、時代の変化により次第にそれらは淘汰されつつある。

最大の要因とされるのが、合計特殊出生率の低下だ。

1990年には平均2.11人だったが、現在では1.4人にまで低下。

これにより過去5年で、塾に通う学生も半減した。

タイホームスクール協会では「出生率の減少により、10年前に比べ学生が70〜80万人も減少している。

塾の生徒数もピーク時の半分以下を割り込み、さらなる市場の縮小は避けられない」と、今後の展望を予想。

大学の授業方式の変化や不景気なども重なり、流通事業開発局の調べでは2013〜16年の市場損失総額は約2億バーツにも上るという。

一方で、急激に業績を伸ばしているのがインターネットを活用した学習システム「Eラーニング」だ。

経済発展により中間層が拡大し、一般家庭にも通信設備が普及。

時間や空間にとらわれずに学べるオンライン学習の需要が高まり、とりわけ英語を学ぶ子どもが増えているという。

人気英語塾を経営する「Enconcept E-Academy」のターニン氏は、「従来の市場はすでに頭打ちだが、当塾には約10万人の学生が在籍し、営業利益は1億バーツを超える。

これは学習トレンドの変化によるものだ」と、自社好調の理由を語る。

いずれにせよ、社会の変化が加速度を増す中で、塾の真価そのものが問われていることは間違いない。

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