ネットいじめに逆襲裁判

「SNS上の誹謗中傷に、私はもう泣き寝入りしない」。 百人を相手に、1人100万Bの賠償を訴える女優の覚悟とは。

匿名をいいことに、特定の個人を節度なく罵倒する。

インターネット上で後を絶たないこうした悪質な行為に、一人の女優が反撃を開始した。

チャンネル3のお茶の間ドラマで活躍するマットさん(31)は、離婚歴のある恋人との交際を巡り2年ほど前から不倫疑惑を囁かれ、執拗な誹謗中傷に耐えてきたという。

しかし、矛先が身内にも向けられたことに辟易し情報開示を請求。

今年9月、自身のSNSに悪質な投稿をした10人の現住所を公開し、法的措置に出る構えを示した。

この“宣戦布告”を知った投稿者たちからは謝罪もあったというが、とき既に遅し。

今後、総勢100人に対し1人100万Bの損害賠償を求めていくという。

訴訟によるイメージダウンは極力回避したいはずだが、世間への警鐘もあるのだろう。

マットさんは今月19日、弁護士を伴い刑事裁判所へ出廷し、A4用紙1枚分にも及ぶ中傷文を投稿したという1人目の被告と対峙した。

被告女性は身勝手な正義感と書き込みの事実を認め謝罪をしたが、賠償額が高額なことから示談交渉へ進むと見られている。

退廷後にマットさんは「私はこの2年であまりに多くのものを失った。

勝訴しても取り戻せないが、犯罪に目はつぶれない」と涙を浮かべつつも毅然と主張。

人々の共感と称賛を呼んだ。

追加分の違法性認定は11月3日。

言葉は時に人の心を刺すナイフとなり、自殺に追い込むこともある。

それは芸能人でも同じことで、“有名税”など例外はない。

本件がこの先の抑止効果となるのか行方を見守りたい。

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