続・チョンプーちゃん殺害事件

罪なき幼子の命が無残に奪われた事件の発生から早1年。 遂に捕らえられたのは、やはりあの“無実の男”だった…

新型コロナのパンデミックに世界が揺れた2020年上半期。

タイでは社会を震撼させた「チョンプーちゃん殺害事件」があったことを覚えているだろうか。

昨年5月14日、ムックダーハーン県コッコー村の山林で、当時3歳のチョンプーちゃんの遺体が発見された。

検死の結果、直接の死因は衰弱と判明したが、自宅から2kmも離れた森の中で衣服を身に着けていない状態で見つかり、体や性器に外傷があったことから県警は殺人事件と断定。

マスコミはセンセーショナルな見出しでこれを書きたて、地元県警も近隣住民にポリグラフ検査(嘘発見器)を行うなど大々的な捜査を続けたが、真相を掴めずにいた。

他方、発見当初から捜査線上に浮上していた男がいる。

チョンプーちゃんの叔父にあたる“ポンおじさん”こと、ルンポン容疑者(45)だ。

義妹であるチョンプーちゃんの母親らは同氏に疑いの目を向けており、マスコミは連日、彼の一挙一動をリアリティ番組さながらに報じた。

ところがこの過熱報道を巡って議論百出。

無実を訴え、一躍時の人となった彼はなんと“お騒がせタレント”に転身し、お茶の間をさらに賑わせた。

ようやく風向きが変わったのは今月1日のこと。

DNA鑑定で確たる証拠を掴んだ警察が自宅に突撃したと知り、翌日、自ら出頭したのだ。

もちろんこの一部始終も伝えられ、同氏のみならず、遺族へも容赦なくマイクを向けるメディア報道のあり方に批判が殺到。

「天国の娘に報告したい」と声にならない声で呟いた、チョンプーちゃんの母親の空虚な表情が視聴者の胸をついた。

10日現在、隠ぺいや逃亡の恐れがないことから容疑者は保釈され、すべての「怪」が明らかなるのはこれから。

一刻も早い真相究明を望むばかりだ。

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