国境を泳ぐチャリティ魂

人気俳優がメコン川を泳ぎ、タイとラオスを往復。
そんなチャリティの募金活動となった社会の反応は…

連休初日の10月22日、有名人がチャリティの募金活動をおこなって世間を賑わせた。

それはタイを代表する人気歌手であり俳優のトーノ氏。

一昨年にも南部の海を30km近く泳ぐという、海洋生物保護を目的としたチャリティ募金活動をしたことでも知られている。

今回、そんなトーノ氏が選んだ挑戦はタイ・ラオスの国境を流れるメコン川横断。

東北部ナコーンパトム県からラオス側までの間、約8kmを往復した。

「泳ぎが達者な人なら大した距離じゃない」 という声が聞こえてきそうだが、水面と水中では激しい流れが複雑に絡み合い、しかも浮力が少ない川での泳ぎには大きな危険が伴う。

トーノ氏は、そのメコン川を2時間で往復。

タイとラオスの病院に医療器具を贈ることを目的とした6,800万バーツもの寄付金を集めた。

さて、今回の募金活動に対して、世間の大方は賞賛の声。

しかし、トーノ氏の足を引っ張るような意見があるのも確かだ。

トーノ氏がトレーニングのために水流プールの施設を借りたチュラーロンコーン大学では、学生が「私たちですら利用できない施設をいとも簡単に利用した」と不満を表明。

一部の医師からは「何千万B集まったところで私たちの仕事や収入に変わりはないし、第一、レスキュー隊などを派遣するための税金が無駄」などという声も上がっている。

この手のチャリティ活動には「偽善だ、売名行為」だという意見が常に付きまとうものだが、チャリティ魂で泳ぎ切ったトーノ氏の足を引っ張り、風評の流れの中で溺れさせてしまうようなことがあってはならない。

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